茨城県守谷市のアサヒビール茨城工場に、2021年4月にオープンした「スーパードライミュージアム」。
辛口ビールの金字塔「スーパードライ」のおいしさや鮮度の秘密を五感で感じられる、約60分間のミュージアムツアーに参加してきました!
案内してくれたのはドライクルーの原さん。
原さんは、以前茨城工場で実施していた工場見学でも案内を務めていらっしゃいました。
公開 2021/12/05(最終更新 2023/12/26)

小原らいむ
柏生まれ柏育ちのライターです。自分を育ててくれた千葉県の魅力を発信していきたいという思いで日々取材・執筆しています。愛犬の黒柴と楽しめる千葉のスポットも探索中!ブログ「LIMEGREEN(ライムグリーン)」★Instagram★@ohalimegreen
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スーパードライがもっと好きになる!わくわくする仕掛けいっぱいのツアー
「スーパードライミュージアム」へは、つくばエクスプレス線・関東鉄道常総線の守谷駅から、送迎シャトルバスを利用して訪れることができます。
「ん?ここは最新の映画館か?」と勘違いしてしまうほどクールな雰囲気の「スーパードライシアター」。ここからツアーはスタートします。
約5分間の映像では、ワイドな3面スクリーンと大迫力の音響で、スーパードライの世界観にグングン引き込まれてしまいました。
ビール好きなら、もうこの時点でスーパードライが飲みたくなってしまうこと必至…(笑)
シアターを出ると、スーパードライカラーの赤と黒で統一された通路が出現! 思わずシャッターを切りたくなるポイントだらけの館内は、写真撮影OKなのもうれしい。
この通路では、ツアーで学べるビールの製造工程をダイジェストで紹介しています。
途中から、マスク越しにふんわりと香ばしい香りが漂ってきました。「ビールの原料である麦芽、ホップ、水を煮込んでいる香りです」と原さん。
通路を抜けた先には、長~いエスカレーターが。このエスカレーターで一気に3階まで上がります。
ここで原さんから「何か気付きませんか?」とクエスチョン。目を凝らして、エスカレーターの横にある階段を見てみてください。
なんと、階段にはスーパードライ350ml缶のプリントがずらり!
「全部で1200本のスーパードライが並んでいるんですよ」と原さん。1200本が何を意味しているかは、ツアーに参加してからのお楽しみです。
スーパードライが私たちのもとに届くまで
エスカレーターで3階まで上がったら、工場見学がスタートします。原料、製造、充填、出荷までを順に見ていきましょう!
主な原料である麦芽とホップを間近で見られるコーナー。
「スーパードライ350ml缶を1缶製造するのに、手のひら1杯の麦芽、6個のホップの花を使用します」(原さん)
想像以上にたくさんの材料を使っているんですね~。
ビールのもととなる麦汁(ばくじゅう)を仕込む「仕込み室」では、それぞれ役割の違う6種類の釜を見学できます。
製造工程において、ビールの鮮度を落とす最大の原因は「酸素」です。この仕込み室では、ビールを酸化させないため、釜の底から底へとゆっくりと麦汁を移し替えているのだとか。
ここで、スーパードライの辛口の秘密を教えていただきました。「このビール辛口だね~」と日常的に言ってしまうものの、よく考えてみたら「辛口」って何だろう…。
「辛口とは、ビールの味と香りであるフレーバーが、飲んだ瞬間、一気にピークポイントを迎える味わいのことです。スーパードライは、口の中のフレーバーがピークから素早く消えていくのが特徴で、その落差でキレのある味わいが生み出されます」(原さん)
味と香りのピークポイントがどこかは、意識してビールを飲むとわかるそうですよ!
そして、スーパードライならではの“キレ”の秘密は「発酵」にあるということで、この後は発酵の秘密を探っていきます。
発酵タンクをイメージした模型で、発酵の工程を学べる「318発酵view」。

スーパードライのキレの秘密は、数百種類の中から選ばれた「318酵母」。高い発酵能力と、上品で洗練された味わいを生み出す香味特性を兼ね備えた酵母です。
タンクの中では、麦汁が1週間かけて若ビール(発酵液)になっていきます。若ビールは、タンクの中で数十日間じっくり熟成され、この熟成が辛口に磨きをかけているのだそうです。
発酵と熟成を経たビールをフィルターでろ過すると、黄金色に輝くスーパードライが完成します!
窓から本物の発酵タンクを見学できるコーナーも。発酵タンクの高さは20mで、5階建てのビルに相当します。
「タンク1本のビールを飲み干すには、毎日大瓶1本(633ml)飲んだとして2000年かかります」(原さん)
茨城工場にある発酵タンクは150本。ここで製造したスーパードライは、茨城・東京・千葉・埼玉・群馬の5県に出荷されています。
ビール離れが進んでいるとは言われるものの、日本ではものすごい量のビールが消費されているんですね~。
発酵タンクの直径は約8m。見学通路にひかれたラインで大きさを体感できます。
スーパードライになれる!?映像アトラクション
ビールは鮮度が命! 鮮度にこだわるスーパードライは、原料や製造方法のこだわりに加え、充填、出荷にもスピード感があります。
「製造ラインでは、1分間に1500缶のスーパードライが造られています」(原さん)
その速さを体感できるのが、映像アトラクションの「スーパードライゴーライド」です。
スーパードライの缶の上に乗って、製造ラインを流れていく疑似体験は、疾走感とスリル抜群! ジェットコースターに乗ったような気分でスピードを体感できました。
「スーパードライゴーライド」を楽しんだあとは、アサヒビールが提唱する新しいお酒の飲み方「スマドリ(スマートドリンキング)」や、環境負荷軽減への取り組みなどをお勉強。
驚いたのが、全国のアサヒビール工場では、廃棄物の再資源化100%を達成していること。
知れば知るほど奥が深い、スーパードライの世界を堪能しました。
1機目よりも長い2機目のエスカレーターで、地上約30mの高さまで。この後、エレベーターに乗って試飲会場まで移動します。
泡アートやサーブ体験も楽しめる試飲タイム
地上60mの高さにある試飲会場「スーパードライホール」。
試飲タイムは15分間で、1人2杯まで、出来たてのスーパードライやソフトドリンクを楽しめます。ノンアルコールのドリンクは、三ツ矢サイダー・十六茶・カルピスウォーター・アサヒドライゼロが選べました。
1杯目には、ドライクルーに注いでいただく、キンキンに冷えた-2℃の「エクストラコールド」を!
やはり鮮度の高いビールは、キレや香りの良さが違うそう。ビールの苦味が苦手で飲めなかった人が「おいしい!」と感動するシーンも多く見られるのだとか。

2杯目は、自分で注げる「サーブ体験」か、泡にイラストがプリントされる「泡アート」を選べます。
コーヒーのラテアートならぬ、ビールの泡アート。2022年、これ流行るんじゃないでしょうか!(笑)
辛口の秘密や、鮮度へのこだわりを知ったあとに楽しむスーパードライは、いつもの何倍もおいしく感じますね。
ツアー終了後に立ち寄れるミュージアムショップでは、スーパードライのロゴ入りグッズや、スーパードライミュージアム限定のタンブラーやジョッキが購入できますよ~。
ツアー詳細

ツアーは、1日5回開催(10時・11時・13時・14時・15時)で、予約制です。
2021年12月現在インターネット予約は停止中で、電話予約(0297-45-7335)のみ受け付けています。
「若い人にもビールのおいしさや素晴らしさを知ってもらいたい」とコンセプトを掲げるスーパードライミュージアム。楽しい体験型コンテンツと原さんのわかりやすい解説に触れてみて、次回はビールが苦手な20代女性の友人を連れてきたいな~と率直に思いました。
茨城方面へのお出かけ候補にリストアップしてみてはいかがでしょうか!
住所/茨城県守谷市緑1-1-1
電話/ 0297-45-7335
電話予約受付時間/9:15~16:00
ツアースタート時間/10:00~15:00
参加費/無料
駐車場/あり
シャトルバス送迎/あり(つくばエクスプレス線・関東鉄道常総線守谷駅から約10分)
※開催日・予約方法などの詳細はアサヒビールのHPでご確認ください。
※2021年12月26日(日)より改修工事を行うため、当面の間休館になります。
再開につきましてはHPにてご確認ください。
HP/https://www.asahibeer.co.jp/brewery/ibaraki/