一年の幸運や金運をかき集め商売繁盛などを願う縁起物の熊手。
「世界一高い価格」の熊手を、「日本一早い熊手市」で販売し、「世界一高い宇宙」へ飛ばして福をかき集めるという、奇想天外な縁起かつぎの企画が、新年元日に所澤神明社で予定されています。

公開 2021/12/29(最終更新 2021/12/28)

「日本一早い」熊手市
所沢では毎年元日午前0時に、所澤神明社で、「日本一早い熊手市」が始まります。
「家内安全、商売繁盛」の掛け声に合わせて販売されるのは、所沢で1870(明治3)年から続く、熊手生産量日本一の株式会社面亀の熊手です。
この面亀の熊手を超小型衛星に搭載して宇宙に打ち上げ、地球を回って福をかき集めようという奇想天外な企画「宇宙を翔ける熊手プロジェクト」を三井物産エアロスペース株式会社が発表し、購入者を募っています。
「世界一高い」その価格、なんと2,021万円!

伝統産業×宇宙産業
製作依頼を受けた面亀5代目社長、朝倉涼介さんは「高さ10㎝ × 幅8㎝の超小型の熊手づくりは初めて」と話します。
おかめには宇宙服のヘルメットをかぶせ、七福神の宝船は宇宙船、星や惑星をちりばめるなど、熊手に付ける縁起物にこだわり、伝統技術を生かして完成させました。
「民間で宇宙に行く時代になったが、まさか縁起かつぎの精神が宇宙にまで及ぶとは…」と驚きの様子ですが、「熊手は高いところに飾るのが良いので、打ち上げが実現すれば、熊手が世界一高い場所から世界中の人の幸福を願うことができます」と朝倉社長。
「宇宙を翔ける熊手」は、1月1日午前0時から所澤神明社の「日本一早い熊手市」で展示・販売を予定しています。
最強の縁起物「竹虎」
一般的な熊手は、買う人の願いに合わせて縁起物で飾り、1年の頑張りにするのが習わしです。
来年は寅年。
「虎は千里往って千里還る」といういわれがあり、出て行ったお金も取り戻す「金運」と、強い動物であることから「病気からも守る」縁起物。
特に竹と虎を組み合わせた「竹虎」は、昔から最強の縁起物といわれ、寅を付けた竹製の熊手はまさに「竹虎」です。

新しい年は、疫病退散、経済回復がかなう良い年になりますように。(取材・執筆/成田知栄子)
所澤神明社
住所/埼玉県所沢市宮本町1-2-4
電話/ 04-2922-3919