草加市の生鮮スーパーゼンエーは、「フードリカバリースーパーマーケット」にリニューアルしました。
「日本の食品ロスの半減を目指す」を掲げ、新たなプロジェクトに挑戦します。
公開 2022/05/02(最終更新 2022/04/28)

食品ロスを減らすための4つの挑戦
ゼンエー(全栄物産株式会社)は、これまでもフードリカバリーに取り組んできました。
形が悪い、傷や割れがあることで出荷されずに畑に埋められてしまう規格外野菜を、生産者から直接買い取って格安で店頭販売。
「野菜の詰め放題が激安!」などと、テレビでもたびたび取り上げられています。
しかし、代表取締役の植田全紀(まさき)さんは「安さばかり目立って、本来の目的、食品ロス対策の意義・意図が伝わっていない」という危機感を抱き、店名も変えて、大幅リニューアルに舵を切りました。
ゼンエーが「食品ロス半減」を目指すためのフードリカバリープロジェクトは、次の4つ。
(1)規格外野菜の流通を拡大させる
(2)3分の1ルール(※)での返品を再流通させる
(3)食品工場のアウトレット品の流通をつくる
(4)家庭から出る食品ロスをなくすフードドライブを推進する
※3分の1ルール=賞味期限6カ月の食品の場合、納入期限2カ月、販売期限2カ月で分けられ、1日でも過ぎるとまだ食べられるものでも販売不可とするもの

コミュニティフリッジプロジェクトとは
そのために新たに計画しているのが、コミュニティフリッジ(公共冷蔵庫)です。
コミュニティフリッジとは、「家庭で食べ切れない食品、飲食店やパン屋さんなどで売り切れない食品を持ち寄ることができる『みんなの冷蔵庫』。生活困窮者やひとり親家庭の人は、そこから食品を持って行くことができる」という仕組みで、食品ロス削減と子どもの貧困支援の同時解決を目指すもの。
国内では岡山や大阪で始まっています。
「草加市内では今、2団体がフードパントリーを行っていますが、月1回や隔月なので少なからずロスが生まれます。フリッジなら今日の今日渡すことも可能、限りなくロスを減らせます」と植田さん。
スーパーの店頭にプレハブを建てて、その中にフリッジを設置。
2団体と共同運営を計画中です。

プレハブにはキッチンも備えて、シュガースポット(黒い斑点)が出て販売できない完熟バナナがあれば、ジュースにして子どもたちに配る「子ども食堂」イベントも予定。
「課題もあると思いますが、何事もまずは挑戦。一緒に社会問題を解決しましょう!」と意欲的です。
住所/埼玉県草加市清門2-42-14
営業時間/午前9時30分~午後7時30分(日曜~午後5時)
問い合わせ/048-942-5009
フードリカバリースーパーマーケットZENEI