日本の食文化を支えてきた発酵食品はとても身近で、暮らしに役立つ知恵がたくさん!

そんな発酵食品にまつわる素朴な疑問をまとめてみました。

教えてくれたのは…

澤田聡美さん

千葉県香取郡神崎町まちづくり課 発酵の里推進室
澤田聡美さん

発酵の里こうざきの立ち上げに関わり、発酵文化を伝える講演活動を行う。「発酵とは、わくわくすること」「発酵とは、変わり続けること」「発酵とは、良くなること」をモットーに、地方に飛び出す公務員=地方酵夢員として、自身もぷくぷくわくわく発酵中。

公開 2026/02/04(最終更新 2026/02/02)

編集部 ゆりか

編集部 ゆりか

編集部所属の取材記者。白井市出身、船橋市在住。コンテンポラリーダンス、ヨガ、ズンバ、バレエなどとにかく踊るのが好き。取材執筆も好きだが、地図が読めないため取材前はいつも軽く迷う。食べ盛りの夫と3人の子育てに奮闘中。

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Q. そもそも発酵とは?

カビや酵母、細菌などの小さな生き物の働きで、食べ物がおいしくなったり、栄養が増えたり、日持ちがよくなったりすることを「発酵」と言います。逆に人にとって都合の悪い変化は「腐敗」と呼びますが、どちらも微生物の営みという点では同じなんです。

Q.身近な発酵食品は?

みそ、しょう油、酢、みりん、納豆、ヨーグルト、パン、日本酒、ビールなど、身近な発酵食品は多くあります。一方珍しいものでは石川県白山市のふぐの卵巣の糠漬け、塩ではなく乳酸発酵させた長野県の赤カブの葉のすんき、秋田県が名産のいぶりがっこなんかもありますね。

ふぐの卵巣を漬けた「ふぐの子」醸し漬
ふぐの卵巣を漬けた「ふぐの子」醸し漬

Q.商品として出荷された後も発酵が進むのですか?

加熱処理で微生物の働きを止めて出荷されているものは発酵がほとんど進みません。でも生酒や生しょう油、生みそ、本格熟成タイプのキムチなどは発売後も発酵が進むものがあります。発酵が進むものは冷蔵庫保存したほうがいいものもあるので、保管方法は商品ラベルの通りにしたほうがいいですね。

Q. 家で簡単に作れる発酵食品は?

おすすめはみそです。私たちの体には健康を守ってくれる常在菌という微生物がいて、手にも常在菌がついてます。家ごとに住んでいる菌も違い、自分の常在菌で仕込んだみそは、その人が食べて一番おいしい味に仕上がると言われているんですよ。ちなみにしょう油や納豆も作れますよ。

Q.おすすめの発酵食品は?

みそ汁は毎日取ってほしいですね。私は夜、納豆とキムチと具だくさんのみそ汁を食べています。ただ毎日これだけ食べてれば健康になるという食品はないので、ちょっとずついろんなものを取るのがいいと思います。「何を食べるか」より「何を食べないか」を意識してほしいですが、ジャンクフードなど栄養バランスが気になる食事であっても、「これ良くないんだよな」と思いながら食べるより、感謝していただきたいですね。

Q.日本で発酵文化が盛んな理由は?

ほどよい湿度があり、一年を通して寒暖差があるので、微生物が繁殖しやすい環境なんです。特に麹菌は国菌(※)に認定されてるぐらい、日本人が大切に育ててきて、みそ、しょう油、日本酒などの発酵食品に不可欠な存在ですね。
※2006年に日本醸造学会により認定

~澤田さんの発酵食品にかける思い~

発酵食品はその土地の伝統と文化が詰まった食品です。どんな人が、どんな思いで、どんな風に作っているかはサイトで探せばいろいろ出てきますが、味わいや匂い、息づかいまで詰まっているのが丁寧に作られた発酵食品なんです。このような発酵食品は確かに値が張りますが、色みも味わいも濃く、毎日の食卓をより豊かな気持ちにしてくれるでしょう。作り手を応援する気持ちで、投票する気持ちで買ってもらえたら、と思っています。