千葉県と言えば、「海」と思われがちですが、山もけっこうあるのです! 知られざる千葉の低名山を初心者ハイカー晴山ノコがご紹介します。
今回の『房総低名山』は大福山。市原市にある標高292mの山です。山頂にはヤマトタケルを祭った白鳥神社があり、駐車場から徒歩10分でたどり着くことができます。山の東に紅葉の名所・梅ヶ瀬渓谷があり、そこに至るまでの道は、房総の尾根を歩く、本格的なハイキングコースです(登山道は、ハイキングシューズ必須)。

※この記事は2025年11月の取材をもとに作成しています。
※登山に出かける前に、山地図を用意し、登山道の最新の情報を自治体のホームページなどで確認しましょう。
※所要時間は目安です。体調や天候が悪い場合は、無理せず引き返しましょう。
公開 2026/04/19(最終更新 2026/04/15)
紅葉も見たいけど、まずは「山」へ
大福山の取材に行ったのは、2025年11月30日。
そうです、房総の山・紅葉シーズンです!
房総の紅葉といえば養老渓谷が有名ですが、本日はその隣の梅ヶ瀬渓谷…のすぐそばにある、大福山(だいふくざん)へ。
紅葉も見たいけど、まずは「山」に行くぞ! というわけで、梅ヶ瀬渓谷駐車場に車を止めてスタートです。

休憩舎やトイレもある、広い駐車場。
道なりに歩いて行くと、右側に、大福山展望台へ向かう道が。

しかし、現在は展望台が老朽化&一部破損のため立入禁止に。
併せて、展望台への道も通行止めになっています。
残念ですが、いつか新しい展望台が建つことを期待して、白鳥神社を目指します。
少し歩くと、今度は左側に、梅ヶ瀬溪谷への分岐が。

梅ヶ瀬溪谷への分岐は、白鳥神社を参拝し、大福山に登頂した後に歩きます。
次第に白鳥神社への分岐が見えてきます。
右側の細い道を上って行きます。

少し手前に、小さな「白鳥神社」の案内を発見。
本当に小さいので、見落とし注意です。

進んで行くと、神社らしく石段があります。

上りきると、白鳥神社に到着。


展望はありませんが、周辺の社叢林は「大福山自然林」として県の天然記念物に指定されており、静かで落ち着いた場所です。
今日のハイキングの無事を祈願したら、山頂標柱を探しに行きましょう。

山頂標柱は、とある木の下にあるのですが、見逃し注意!
スタートから僅か10分で大福山・登頂です!!
山頂を踏むだけならここでゴール!
…でもいいのですが、せっかくトレッキングシューズを履いて来ているので、
来た道を戻り、大福山取り付きからまずは知る人ぞ知る房総の紅葉の名所「もみじ谷」を目指します。

いざ、紅葉の名所・もみじ谷へ
車道から山道へ入り、どんどん下って行きます。
私は上りよりも下りが苦手。
傾斜があり、つまずきやすいため、気を付けて下山しましょう。
※安全確保のため、立ち止まり振り返って撮影している写真もあります※
落ち葉は、晴れて乾いていても、雨で塗れていても滑るので、注意が必要です。
階段はとてもありがたいのですが、時々、釘が飛び出している箇所があるので、
つまずいてけがをしないよう、慎重に下って行きます。
どんどん下って行くと、細い木の根が露出した尾根道になります。

下りはついつい足が進んでしまいますが、適宜休憩を取りながら、
バランスを崩さないよう、ゆっくり歩きます。
時々広い場所に出たり、道幅の狭い道に出たりしながら、どんどん下って行くと、

ふと、美しく色づいた紅葉が目に飛び込んできます。


「もみじ谷」に到着。
もみじ谷は、ここ大福山ハイキングコースの一部で、この辺り一帯を指します。
トレッキングシューズを履いて、駐車場から1時間弱歩いた人だけが見られる絶景です。
この日(11月30日)は、渓谷内の紅葉はやや終盤に差し掛かったあたりでしたが、もみじ谷の紅葉はそれよりやや遅く、一番いい時期に訪れることができました。




他の登山者の邪魔にならないよう山側に避けて、
しばらく鮮やかな紅葉を楽しんだ後は、日高邸跡を目指します。
梅ヶ瀬に理想郷を――日高邸跡
ここから先もどんどん下って行くのですが、渓谷が近いからか足元が滑りやすくなってきます。
また、日高邸跡は梅ヶ瀬渓谷の中にあるので、短時間ですが渓谷内を歩きます。
少し歩いて傾斜が心配と思った方、装備に不安がある方は、ここで引き返しましょう。



この辺りで2回滑りましたが、何とか踏みとどまりました。
滑りやすいので、注意して下りましょう。


ここの分岐まで下ってきたら、案内に従って、200mほど渓谷内を歩きます。

途中、倒木もあるので注意。
ここは、右手側を歩いて通過しました。

10分ほどで、日高邸跡に到着。
日高邸の日高とは日高誠実(ひだかのぶざね)のことで、明治時代の漢学者です。
今の宮崎県に生まれ、藩校明倫堂教授となり、明治維新後は陸軍省に入りました。
50歳で引退した後は、ここに居宅と私塾である梅ヶ瀬書堂を構え、地域の教育や産業振興に努めた、まさに「地域の偉人」です。



往時をしのぶ物は、3本の見事なカエデの木のみ。
時期によっては、落ち葉が真っ赤な絨毯のようになるとのことですが、
場所が場所だけに、ちょうどいい時期を目指して訪れるのはなかなか難しそうです。


ベンチもあるので、休憩にはもって来い。
念のため、レジャーシートと、3~10月はヒル避けに忌避剤、または塩を持っていったほうがよさそうです。
たっぷりとマイナスイオンを浴びたら駐車場へ戻ります。
帰りは上りになるので、下って来た行きの道より時間がかかります。
また、梅ヶ瀬渓谷内を歩いて戻るルートもありますが、沢を渡る徒渉箇所がいくつもあり、駐車場までより時間がかかります。
事前の下調べが完璧&時間に余裕がある場合以外は、その場の思い付きで行かないようにしましょう。
終わりに
今回は、駐車場から出発して、行きは白鳥神社(大福山山頂)、もみじ谷、日高邸跡。帰りは日高邸跡からもみじ谷、駐車場というルートで約4km、約2時間の道のりでした。これまでの山頂や展望を目指す山歩きとは少し趣が異なり、照葉樹と、細い根が張り出した尾根道を歩くのが目的の登山です。
私は、この房総の山ならではの独特の尾根道が好きで読者の方にもぜひ歩いていただきたい、という思いから比較的歩きやすく駐車場から行きやすいこのルートを紹介しました。この記事の掲載は春ですが、紅葉が美しいということは、新緑ハイキングも美しいということ。秋はもちろん、ぜひ春の大福山にも足を運んでみてください。
