| 角田夏実さん |
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| 生年月日/1992年8月6日 出身地/千葉県八千代市 趣味・特技/国内外の世界遺産巡り、サイクリング、ゴルフ |
公開 2026/06/04(最終更新 2026/05/29)
東京オリンピックまであと1年
このままでオリンピック代表を狙えるのだろうか。2019年当時、私は52kg級で戦っていた。この階級ならベストな状態で戦える。けれど52kg級は国内でも国外でも強敵ぞろい。世界選手権2連覇の阿部詩選手や、17年世界選手権優勝の志々目(ししめ)愛選手(24年に引退)がいる中で、当時の私は3番手。
あと1年しかない。48kgに階級を変えても残された時間は短く、限られた試合の中で「勝ち続けなければならない」。これまで積み重ねてきた52kg級での実績を捨てて、48kg級に挑戦していいのか、悩み続けていた。
「賭けに出た」27歳での階級変更
この時すでに27歳。10代後半から20代前半にオリンピックや世界選手権に出場する選手が多い中、私は年長者の方だった。20代後半で階級を変えるリスク。厳しい減量を強いられる過酷さ…。今まで使っていた背負い投げなどの担ぎ技は48kg級の低身長の相手にはかけづらく、新しいスタイルを探さなければならない。
対戦選手たちの研究も必要になってくる。考え始めると不安は次から次へと湧いてきた。それでも東京オリンピックを最後の舞台だと思い、一縷(いちる)の望みを懸けて、私は階級変更の決断をした。身長162cm。筋肉は脂肪よりも重く、もともと体脂肪率は10%以下。50kgから最後の2kgを落とすのは、何よりもしんどかった。
食事量を減らした分、練習では思うように体が動かず、もどかしい思いもした。それでも心と体をかろうじてつなぎ留めていたのは、オリンピックを目指す気持ちが強かったから。そして東京オリンピックの代表選手発表へ――。
「48kg級は、渡名喜風南(となきふうな)。補欠は、角田夏実」代表に選ばれなかった。あれだけ追い込んで、自分を削って、苦しい思いを続けてきたのに。もう柔道をやめよう。もうやり切った。