女性に多いがんといえば乳がん。定期的な検診と普段から自分の乳房に意識を向けることが、早期発見・早期治療につながります。

教えてくれたのは…

三和病院 院長 渡辺 修さん
三和病院 院長 渡辺 修さん
松戸市医師会の乳癌(にゅうがん)検診部会の委員も務める。

公開 2026/04/29(最終更新 2026/04/27)

編集部

編集部

千葉・埼玉県在住の編集メンバーが、地域に密着して取材・執筆・編集しています。明日が楽しくなる“千葉・茨城情報”をお届けします!!

記事一覧へ

40歳からはマンモとエコーの両方を

乳腺組織のがんである乳がんは、女性がかかるがんの第1位。日本人女性の9人に1人が生涯で乳がんにかかるといわれ、年間で約10万人が乳がんと診断されています。40代が最も発症しやすく、次いで60代にも多く見られます。ですが、早期に発見し、治療を行えば、治る確率が高い病気です。

ステージ1(しこりの大きさが2cm以下でリンパ節への転移がない)の乳がんの5年生存率は90%以上。加えて、早期に発見すれば、乳房を摘出しない温存手術など、治療方法の選択肢も広がります。早期発見のためには、定期的な検診が大切です。

乳がん検診には、主にマンモグラフィー検査と超音波検査(エコー検査)の2種類があります。乳房をエックス線で撮影するマンモグラフィー検査は、石灰化を伴った乳がんの発見に向いていますが、乳腺の濃度が濃い場合は、病変が見えないことがあります。

一方で超音波検査は、安全な高周波を乳房に当てて内部を診る検査。痛みはなく、乳腺の濃度が濃い場合でも病変を発見できますが、石灰化した病変は見つけにくいのがデメリットです。40代までは乳腺の密度が濃いため、20代・30代は超音波検査のみ、40代以降は、超音波検査とマンモグラフィー検査を併せて受診するのが理想的。

松戸市の住民検診では、30代は超音波検査、40代は超音波検査とマンモグラフィー検査(上下、斜め横からの2方向)を毎年交互に、50代はマンモグラフィー検査(斜め横からの1方向)を実施しています。

自分の乳房に関心を持とう

当院では、自分の乳房を意識する「ブレスト・アウェアネス」を呼び掛けています。年に一度の検診だけで安心するのではなく、普段から乳房の状態を知っておくことで、変化に気付け、早期発見につながるという考えからです。

月に一度でいいので、鏡の前で自分の乳房の状態をチェックしましょう。乳頭の高さに左右差がないか、ひきつれやくぼみはないか、分泌物はないか、実際に触って、しこりがないかなどを確認。

「毎月1日の入浴時に」などと自分なりのルールを決めておくと、継続しやすいです。万が一、セルフチェックで、しこりや異常を見つけたら、定期検診を待たずにすぐに受診をすることも重要です。

乳がんのリスク要因は、肥満、喫煙、過度な飲酒などの生活習慣の他、家族に乳がん経験者がいる、出産・授乳経験がないなどが挙げられます。とはいえ、何一つ当てはまらなくても罹患する可能性はあります。

繰り返しになりますが、乳がんは早期に見つかれば治せるがんです。40代は家事に育児に仕事に、一番忙しい時期かもしれません。だからこそ、家族や周りの人のために、何よりご自身のためにも、「ブレスト・アウェアネス」を心がけましょう。

ブレスト・アウェアネスとは?

1.乳房の状態を知る
2.乳房の変化に注意する
3.異変があれば医師に相談
4.定期的に乳がん検診を受ける

乳がんセルフチェックのポイント4つ

(1)鏡の前に立って両腕を上げ、左右の乳房の形を確認。

チェックの方法

チェックポイント
くぼみ、ただれ、へこみはないか

(2)仰向けに寝て、下にタオルを敷いて乳房が均等に広がるようにします。調べる側の腕を頭の後方に上げて乳房を触ります。

チェックの方法

チェックポイント
しこりがないか

(3)4本の指の腹で「の」の字を書くように乳房全体を圧迫するように触ります。

チェックの方法

チェックポイント
しこりがないか

(4)乳首をつまんで分泌物が出ないかチェック。

チェックの方法

チェックポイント
血液などの異常な分泌物はないか

検査で異常が見つかったら?

必ず、乳腺外科などで精密検査を受けましょう。超音波検査やマンモグラフィー検査のデータがあれば持参すること。なければ追加で検査し、組織検査も行います。