スマートフォン(※)をかざすだけで花の名前を教えてくれるアプリ「ハナノナ」を知っていますか? ユーザーからは「散歩が楽しくなった」「道端に咲いていた花はこんな名前だったのか!」などの声が上がって現在31万のDL数を記録し(2020年6月30日時点)、人気となっています。
人工知能から誕生したアプリ
人工知能から誕生したアプリ「ハナノナ」の生みの親は千葉工業大学人工知能・ソフトウェア技術研究センター主席研究員の竹内彰一さん。幼児は目にしたモノの名前を周囲の人から教わりながら覚えていきますが、コンピューターにもモノを見せて名前を理解させることが、最新の人工知能の研究で可能になったのです。この成果を花に応用して開発されたアプリが「ハナノナ」。
とても穏やかな語り口の竹内彰一さん
「花に詳しかったわけではなく、画像を認識する題材として自動車や昆虫などの候補の中から花を選びました」とほほ笑む竹内さん。
プログラムに学習させていく1つの花に必要なデータ画像は、なんと約700枚!「身の回りに自然に咲いている草花は約1300種類あり、画像を集めるのが大変でした。その中で画像が集めやすかった406種類からWeb版を製作し、その後アプリを作りました。いまでは770種類の花の識別ができます」と竹内さんは話します。
アプリを作る際に一番こだわっていることは精度。最初は「花の名前が違いますよ」という指摘もあったといいますが、今では植物の専門家からの協力を得て、精度を高めることに注力しているそう。アプリ内の間違いにはツイッターも活用しているそうで、エゴサーチをして間違いの指摘があるとそれを検証することもあるそうです。
道端の花にアプリをかざすだけで、花の名前が出てきます
表示された花を画像に残すことも
無限に広がる楽しみ方
アプリの楽しみ方は無限に広がっています。そもそも「ハナノナ」が人気となったきっかけは、「散歩の途中に柴犬のしっぽをこのアプリで解析したところ、『ガマ』と判定されました!」とツイッターに投稿されたことです。動物が花の名前に解析される面白さが拡散され、その後も自分の顔を解析する人が現れるなど、皆アプリを思い思いに楽しんでいます。
竹内さんは、「名前を知ることの大切さ、発見する喜びを知ってほしい。例えば、『青い花が咲いていたよ!』と言うより、『ツルニチニチソウが咲いていたよ!』と言った方が分かりやすく、名前を知っていることが少し誇らしい。今まで見過ごしていた花の名前を知ることで、その花とつながることができます。身の回りの花を発見する喜びを感じてもらえれば」と話します。
今後は高山植物や沖縄固有種の植物などの種類も増やす予定とのこと。
スマートフォン片手に花の名も知れれば、散歩の楽しみも増えそうですね。
身の回りにある花の名前を知る喜びを感じよう
※現在スマートフォンはiPhoneのみ対応、AndroidではWeb版が利用できます。DLはこちらから(無料)