こんにちは!アラフィフへっぽこライダー<花>です!
新型コロナウイルスが猛威を振るういつもとは違う冬に、心まで冷えてしまいそう…でも、季節は確実に暖かい春に向かっています。
今回はライダーにはもちろん、ドライブにもぴったりな、南房総・早春おすすめスポットをご紹介します。
「SNSで見たあの景色はココだった」なんていう、とっておきの映えスポットばかり! 自分の目で確かめに行ける日が待ち遠しくなること間違いなしですよ!
▼ 富津市に新たな秘境発見?!「燈籠坂の切通しトンネル」
▼ 国道127号沿いは、道そのものが絶景ポイント!
▼ 吉永小百合主演映画の舞台にもなった絶景カフェ「岬」へ
▼ 【水仙】【頼朝桜】【桜】の開花リレー・鋸南町の花まつり
富津市に新たな秘境発見?!「燈籠坂の切通しトンネル」
一つ目の目的地は、富津市竹岡にある「燈籠坂大師の切通しトンネル」。
こちらは車やバイクなどで訪れやすい場所にありながら、神秘的な光景を見ることができる隠れた名所として、近年人気が高まっているのです。
では早速場所をご案内しましょう!
木更津・君津方面から館山方面へ国道127号を走るルート上にある「城山隧道トンネル」。トンネルの少し手前の左手に、赤い門が見えてきます。ここが「燈籠坂大師堂」に入る目印です。
バイクはこの先まで進むことが出来ますが、細い道ですので、車で訪れた場合は門をくぐって右手にある駐車場に車を止めて徒歩で向かいます。歩行者がいるので、十分注意して下さいね。
しばらくして現れる素掘りの隧道(トンネル)を抜けると
こんな感じで突き当たります。その右手側を見ると…
そこに現れるのが高さ約10mの切通しトンネル!
バイクや人と比較すると、その迫力が伝わるでしょうか?
こちらは弘法大師が行脚中に腰を休めたという口碑がある「東善寺」の飛地境内地、「燈籠坂大師堂」へ続く参道です。
富津市HPで紹介されている、東善寺ご住職の話によると、城山の尾根が急だったので、明治から大正頃に手堀の切通しトンネルが掘られたのだそう。その後、昭和初期に、地元住民が鋸山の石切技法を用いて下に切り下げ、現在のような形になったそうです。
トンネルを抜けるとそこは異世界…ではなく燈籠坂大師堂が現れます。
鳥居の先は男坂と女坂に分かれていますが、ゴールは同じ本堂です。
なかなかの段数ですので、健脚自慢の方は挑んでみては!
燈籠坂大師方面から撮ったら、本当に異世界に迷い込みそうな写真に…。
国道127号沿いは、道そのものが絶景ポイント!
さて、燈籠坂大師を後にし、更に南下を続けます。
多くの絶景スポットがある南房総ですが、私が強く推したいのは、南房総の道中そのものです!
上総湊駅を少し過ぎたあたりから、右手に海が開けます。内房なぎさラインと呼ばれる海沿いのゆるやかな道には、南房総らしい風景が続きます。
金谷港からは雄大な鋸山も望め、近くにはお土産や食事休憩できる場所もありますよ。
お約束で、金谷港の「恋人の聖地 幸せの鐘」を一人で鳴らした後は、いよいよ今回の最終目的地に向かいます。
吉永小百合主演映画の舞台にもなった絶景カフェ「岬」へ
今回の最終目的地「音楽と珈琲の店 岬」は、1978年にオープンした40年以上の歴史ある喫茶店です。数多くの人に愛される「岬」の入り口は、ちょっと分かりづらいので注意が必要です。
「岬」があるのは、鋸山を少し過ぎたあたりにある「明鐘岬(みょうがねみさき)」。国道127号を金谷から館山方面へ向かうと「明鐘隧道(みょうがねずいどう)」というトンネルが見えてきます。
トンネルが見えたら、その右手前に入り口があります。トンネル脇にあるキーコーヒーの看板が目印です。入り口からは、バイクも車も乗り入れ可能です。
入口を入ると、正面に看板があるので、これに従い左の道を進むと
明鐘岬の先端、東京湾を望む最高のロケーションに建つ「音楽と珈琲の店 岬」に到着です!
ちなみに左手前の建物はお客さん用のトイレです。
「音楽と珈琲の店 岬」入り口です。
入り口右手にはテラス席があるほか、お店の外に4人掛けのデッキテーブル席が2つと2人掛けのテーブルが2つあります。
こちらはテラス席。テラス席・デッキ席はペットと同席OKです。
営業時間は朝10時から夕暮れまで。東京湾に沈む夕日を見ながらコーヒーをいただけるなんてすてきですね。
では早速店内へ。
「喫茶店」と呼びたくなるような温かみのある店内に、この日はジャズが静かに流れていました。
お店はオーナーの玉木さんが一人で切り盛りしていましたが、最近では玉木さんの妹さんがお手伝いに入られています。今回妹さんがコーヒーを淹れてくださいました。
常連客や、ライダーなどが立ち寄る隠れた名店だった「岬」。そんな「岬」に、ある日ふらりと一人のお客さんが訪れます。
「保田の観光案内所で働く女性から、この場所を聞いて立ち寄った」と言うそのお客さんは、ひとしきりコーヒーを楽しんだ後、オーナーの玉木さんに突然、こんな事を言ったのです。
「このお店を舞台にした小説を書かせてほしい」
そのお客さんこそ2011年に、この「音楽と珈琲の店 岬」を舞台にした小説「虹の岬の物語」を書いた、作家の森沢明夫さんでした。
主人公・悦子が営む「岬の喫茶店」を舞台にした小説は、「岬」をモチーフにこそしていましたが、物語自体はフィクションです。しかし、小説の内容と「岬」を巡る出来事に、不思議な符合があったと玉木さんは語ります。
「小説に出てくる「岬カフェ」では「コタロー」という犬を飼っているのですが、以前うちの店でも、お客さんの送り迎えをする「チビ」という看板犬を飼っていたの。あと、私の姪の名前が、主人公の姪の名前と同じ「真理(まり)」だったんだけれど、この2つは森沢さんに話したことはなく、全くの偶然だったのよ。後日確かめたら森沢さんも驚いていらっしゃいました」
陶芸をしている(玉木さんの姪の)真理さんは、玉木さんのために小説に登場する「ハート形のコーヒーカップ」を作成しました。
カップはお店で使われています。
「虹の岬の喫茶店」は韓国や中国、タイでも出版されて人気となり、本を読んだお客さんが海外から訪れたこともあったとか。
小説は2012年にラジオドラマ化もされましたが、「岬」の知名度を一気に上げたのは、2014年に劇場公開された吉永小百合主演の映画「ふしぎな岬の物語」です。
映画の撮影も「岬」で行われました。映画が公開されると、内容はもちろん、舞台となったお店の雰囲気に魅せられたお客さんが、日本中から訪れるようになったのです。
オーナーの玉木さんのお名前は「節子さん」。節子さんの気さくなお人柄に、美味しいコーヒーと音楽、何よりこのゆったりとした空間が、森沢さんにインスピレーションを与えたのでしょう。
では私も、右手にある大きな窓から見える海を眺めながら、ホットコーヒーで体を温めることにします。ツーリングとコーヒーの相性は最高!
挽きたての豆を、鋸山の湧き水で淹れるというこだわりのコーヒーは、すっきりとした味わいで、とてもおいしかったです。
「コーヒーが苦手な方でも、これなら飲めるって言ってくださるんですよ」と玉木さん。
オリジナルバナナアイスも濃厚でおいしい!
「音楽とコーヒーが好きだったから『音楽と珈琲の店』にしたの。音楽のジャンルは、ジャズもロックも歌謡曲も全部好き」そう話す玉木さんですが、実は「音楽と珈琲の店 岬」は、何度も営業の危機にさらされてきました。
1度目は2011年1月。「岬」は火事で全焼してしまいます。しかし、常連のお客さんやご近所の方々が、オーナーの玉木さんに力を貸し、手作りでお店を再建。同年の12月にお店は再開します。
2度目は2017年の台風被害によるがけ崩れです。以前はテラス席前まで車が入れるスペースがあったのですが、駐車場は崩落し、建物のすぐ先が崖になってしまいました。玉木さんは崖の復旧を求める署名を国に提出しましたが、現在のところ修復工事について進展はないそう。
「ゆっくりお店でくつろげる日が来てほしい。本来この店はそういう場所だったから…」と玉木さんは語ります。これからもこの美しい景色と、緩やかな時間が流れる場所が守られますように。
店内には、貴重な映画撮影時のスナップや、原作となった「虹の岬の喫茶店」の本も置かれています。
無事に目的地に着き、今回の私の南房総ツーリングはこれで終了!
立ち寄ったスポットはもちろん、ゆったりとした国道127号線の風景は、きっと訪れた皆さんを癒してくれるはずですよ。
【水仙】【頼朝桜】【桜】の開花リレー・鋸南町の花まつり
さて、最後に一足早く春を迎える、南房総の花情報をお伝えしますね。
鋸南町では12月から4月にかけ3部構成の「花まつり」が開催されます。
まずは毎年12月から2月にかけて、水仙の名所「をくづれ水仙郷」や「江月水仙ロード」を中心に開催される「水仙まつり」。
今年の水仙ではありませんが、こちらは「江月水仙ロード」の景色です。道沿いを歩くと水仙の香りが漂い、まるで仙人の世界に迷い込んだような美しい風景でした。今年度の水仙まつりは2/7(日)まで開催されました。
水仙まつりが終わると、2/13(土)から3/7(日)まで「頼朝桜まつり」が開催されます。鋸南町では「頼朝桜」と呼ばれる河津桜が、町全体で1万5000本ほど植えられています。中でも、佐久間ダム公園に400本、保田川沿いに600本、佐久間川沿いに400本が植えられ、人気の花見スポットとなっています。
▲こちらは昨年の、保田川沿いの桜
こちらは昨年の、佐久間ダム公園の頼朝桜です。
佐久間ダム公園の散策路には、頼朝桜の他にも、染井吉野、八重桜など合計約2000本の桜が植えられています。頼朝桜は2月頃から咲き始め、3月には大漁桜、4月からは染井吉野、しだれ桜、八重桜と、次々と種類の違う桜が迎えてくれます。2月は、こちらも見頃を迎えている梅や、まだ咲き残る水仙と頼朝桜の競演が楽しめるそう。
▲佐久間ダム公園での桜まつり期間の昨年の様子
頼朝桜のシーズンが終わるころ、次の桜の開花に合わせ、3/13(土)から4/11(日)まで「桜まつり」を開催します。
「花まつり」各期間中は、QRコードスタンプラリーや、まつり期間中に撮った写真を応募する「花まつり写真コンクール」が行われるそう。
平日は比較的人が少ないそうですので、可能であれば混んでいる休日は避けるのがおすすめです。
観賞の際は飲食やお喋りなどは控え、美しい風景を楽しむ、本来のお花見を楽しみたいものです。
長い期間、さまざまな種類の花が迎えてくれるのも南房総の魅力の一つ。焦らずに、ゆっくりと桜が楽しめる時期が来るのを待ってお出かけくださいね。
●燈籠坂大師の切通しトンネル
住所/千葉県富津市竹岡~萩生 ※富津市萩生8-2(燈籠坂大師堂)
アクセス/
電車:JR内房線「竹岡」駅から徒歩約20分
車:東京湾フェリー金谷港から約8分、または東京湾アクアライン海ほたるPAから館山自動車道「富津中央IC」を経て約15分 駐車場5~6台(無料)
問い合わせ/ 0439-80-1291 富津市観光協会
●音楽と珈琲の店 岬
住所/千葉県鋸南町元名1
アクセス/
電車:JR内房線「浜金谷」駅から徒歩約20分
車:国道127号線「明鐘隧道」トンネル脇入口から約3分
営業時間/10時~日暮れまで 季節により営業時間異なるので注意
席数/14席(コロナ対策のため席数を減らしています)
年中無休(荒天時は閉店)
問い合わせ/ 0439-69-2109
●佐久間ダム公園
住所/千葉県鋸南町大崩39
アクセス/
電車:JR内房線安房勝山駅から町内循環バスで30分、佐久間ダム公園入口下車
車:富津館山道「鋸南保田IC」から一般道約7.3km、または「鋸南富山IC」から一般道約5.4km 駐車場100台(無料)
問い合わせ/ 0470-55-8115 佐久間ダム公園観光案内 10時~16時
●鋸南町観光協会 保田駅前観光案内所
住所/千葉県鋸南町保田249
問い合わせ/ 0470-55-1683
頼朝桜まつりについて 9時~17時 火曜休