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【四街道市】酪農を営みながら創作する「鋳金」作家の西岡美千代さん

父親の跡を継いで酪農の仕事に携わり、現在、親牛50頭、子牛35頭の乳牛の飼育をし、空いた時間を鋳金(溶かした金属を鋳型に流し込んで成形する技法)の創作に取り組んでいる美千代さん。

その前向きで力強い姿勢に迫りました。

四街道市鹿放ケ丘在住の孫娘、西岡美千代さんと祖母の愛子さんが酪農と鋳金に取り組む
▲子牛とおばあちゃんと美千代さん(奥)

「酪農どうする?」の問い掛けに即答

西岡牧場の経営者である西岡俊雄さんは、4年ほど前に牛の世話中にけがを負い、牧場での労働が無理となりました。

その時、俊雄さんの母親愛子さんが、孫娘の美千代さんに問い掛けた言葉が「酪農どうする?」でした。

10年前から、牛の飼育に関わってきた美千代さんは迷わず「やる!」と答えたといいます。

西岡牧場の経営者である西岡俊雄さんの母親愛子さんが乳牛を移動させる
▲搾乳のため乳牛を移動させる愛子さん

「やってくれるならオレもやる。ばあちゃんも手伝うよ」という熱い思いが通じ合い、祖母と孫娘中心で酪農の日々を営むことになります。

「本当にけがは一瞬のことで…息子のあの時のことを思い出すとぞっとする。オレは19歳でここに嫁に来て、84歳の今までずうっと酪農やっているよ。朝は、20年前に死んだじいちゃんの仏壇に『今日も無事に起きられたよ』、夜は『今日も無事に終わったよ』と報告してる。元気で動けるのはありがたい」と愛子さんは話します。

四街道市鹿放ケ丘在住の西岡美千代さんと牛
▲西岡美千代さん

美千代さんは6年前に「家畜人工授精師」の資格を取得しました。

朝は5時から仕事をスタートします。

朝晩の餌やり、搾乳、掃除、牛の健康管理、治療、人工授精の他、昼間に機械や牛舎の修理、堆肥の切り返しなどをこなし、昼の4時間ほどを除き、夜8時30分ごろまで労働は続きます。

そんな忙しさの中でも美千代さんは、牛たちに名前を付けて慈しんでいます。

「父は経理の仕事の他、分娩の近い牛の様子をカメラで見て知らせてくれたり、修理などを指導してくれます。またこの1月から弟も牧場経営に加わりました。この仕事は1人ではできません。親戚や酪農仲間に支えられ、成り立っています。そんな中で明るい雰囲気をつくるばあちゃんは大事なムードメーカーです」と美千代さんは笑顔で語ります。

空いた時間は好きな「鋳金」に没頭

美千代さんは東京芸術大学の美術学部工芸科で鋳金を専攻し卒業、大学院を修了しました。

教育研究助手、高校の非常勤講師などを経て、今があります。

東京芸術大学の美術学部工芸科で鋳金を専攻し卒業、大学院を修了した西岡美千代さんの鋳造過程
▲鋳造過程の美千代さん

「鋳金には、風・火・土・水などの自然のものを使って、自分の思いのままに操る楽しさがあります。生き物の生死を身近に感じられる環境の中で、自分らしい表現を生かした作品を創作し続けたいと思っています」と話す美千代さん。

東京芸術大学の美術学部工芸科で鋳金を専攻し卒業、大学院を修了した西岡美千代さんのサンゴの作品
▲天井からつるすサンゴ260個の一部

なお、四街道市の市民ギャラリー(千葉県四街道市鹿渡2001の10)で7月6日(火)〜11日(日)に開催予定のグループ展「テンテンテンテン・・・展」では、美千代さんの大作に出合えるチャンス。

鹿放ケ丘のアトリエから生まれる作品に注目です。(取材・執筆/EKO)

この記事を書いた人

ちいき新聞 レポーター

地域に密着してフリーペーパー「ちいき新聞」紙面の記事を取材・執筆しています。

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