刺激的な辛み、癖になるシビれ、食欲をそそる香り…!
食べれば体の芯からポカポカ温まる“ホット”な麻婆豆腐で、寒さ厳しい季節を元気に過ごしましょう!
埼玉県東部地区の「〇〇巡り」第5弾は麻婆豆腐! 今回も全店実食済みです。
公開 2022/01/19(最終更新 2023/12/26)

目次
- 【春日部】2代目シェフは薬膳マイスター! 「チャイニーズレストラン けいらく」で食養生を
- 【春日部】「ニラ玉麻婆丼」も話題! 鍋振りも見られるオープンキッチンの「中華食堂 フーロン」
- 【せんげん台】その名もずばり「激辛石焼き四川麻婆豆腐」! 辛さの向こうにうま味あり「中華料理 喜(よし)」
- 【越谷】こしがや愛されグルメ認証「四川坦々麺」と人気を二分! 「中華キッチン ぐら」の四川麻婆豆腐はご飯が進む味
- 【吉川】ガラスの器で提供される「白い麻婆豆腐」とは…!? 3種の麻婆豆腐をそろえる「中華処 萬万亭」
- 【草加】日本人向けに「本場の味」を追求! 栄養バランスも考えた「Kitchen HOSAKA(ホサカ)」の四川麻婆豆腐
- 【三郷】「居酒屋のおつまみ」と侮るなかれ! ホテル出身の中華のプロが開いた「中華風居酒家 はる」
【春日部】2代目シェフは薬膳マイスター! 「チャイニーズレストラン けいらく」で食養生を
1970年創業の「けいらく」。長らく「カフェ&チャイナ」を掲げて営業していましたが、2014年から「チャイニーズレストラン」と看板をあらためています。
メニューにはオムライスやカツ丼、クリームそばなどもそろいます。
「おじいちゃんおばあちゃんとお孫さん、食べたいものが違っていても一緒に食事を楽しめる店でありたいんです。家族で過ごす時間を大切にしてほしい」と語るのは、2006年から厨房を任されている2代目の石川慎也さん。
慎也さんは外食産業に勤務、その後ホテルオークラの中華レストラン桃花林で6年修業。先代からの味を守りつつ、修業してきたレシピを生かしたオリジナルメニューを生み出しています。

薬膳マイスターの資格を取り、講師を招いて定期的に薬膳のワークショップも開講中。「毎日の食事で健康な体を作る『食養生』の考え方をベースに、おいしい料理と楽しい時間を提供していきたい」と慎也さん。
麻婆豆腐は2種類。辛いのが苦手な人には、シイタケ、タケノコなどが入った昔ながらの「麻婆豆腐」を。
「四川麻婆豆腐」はホテル時代に学んだレシピで、自家製ラー油、花椒(ホアジャオ/中国山椒)、そして発酵食品の豆豉(トウチ)を使うことで奥深い香りとコクが生まれ、食感もアクセントに。
「短時間で一気に加熱することで香りが立ちます。好みに応じて辛さ増しや、お子さま向けに辛みを抑えることもできますのでお申し付けください」
スープを練り込んだモチモチの皮に野菜たっぷりのギョーザや、濃厚肉味噌担々麺、愛玉子(オーギョーチー)や話題の台湾カステラなども人気です。
チャイニーズレストラン けいらく
住所/埼玉県春日部市粕壁1-2-4
営業時間/11:00~15:00 17:00~22:00
定休日/木曜
電話/ 048-752-7069
【春日部】「ニラ玉麻婆丼」も話題! 鍋振りも見られるオープンキッチンの「中華食堂 フーロン」
35年前に、先代が武里駅前で開業した「芙蓉(フーロン)」。
現在の場所に移転してからも町の中華食堂として親しまれてきましたが、先代が亡くなり約1年ほどクローズ。娘の櫻井佳那子さんと夫の和則さんが店を引き継ぎ、2018年11月に「フーロン」として再オープンしました。
昔からの常連客も多く、先代の味を継承した「味噌ラーメン」、少しアレンジした「うま煮つけめん」「地獄タンメン」などは今も人気です。
店に入ると左手にテーブル席、奥には子ども連れにうれしい座敷があり、右手は大きなオープンキッチンのカウンター席。調理している姿が見られて、店主夫妻との会話も楽しめるので人気があります。
麻婆豆腐は麻辣醤(マーラージャン/辛味噌)を使った、ガツンと辛い四川風。大きめな粗引き肉を使っているのが特徴で、下味を付けて一度炒めてうま味を閉じ込めてから加えているので、香ばしさと食感が違います。食欲をそそる山椒と豆豉(トウチ)の香りも◎
また、埼玉の人気ラジオ番組の企画から生まれた「ニラ玉麻婆丼」800円も、これを目当てに遠方からも訪れる人が絶えない話題の一品。ご飯の上にニラ玉をのせて、その上から麻婆のあんをたっぷりかけたもので、ボリューム満点です。
そして、「フーロン名物」と冠が付くメニューは、なんと「焼き鳥」!
「平日限定サービスランチでたまたま出したら大人気で、『また作って』と言われていつの間にか看板メニューになりました」と和則さん。中華だけでなく洋食など多ジャンルの店での修業経験を生かしたオリジナルメニューも注目。週末限定でハンバーグの日やミスジの日も登場します。
中華食堂 フーロン
住所/埼玉県春日部市備後東7-26-14
営業時間/10:00~14:30 17:00~20:00(土・日のみ)
定休日/月・火曜
電話/ 048-735-8655
【せんげん台】その名もずばり「激辛石焼き四川麻婆豆腐」! 辛さの向こうにうま味あり「中華料理 喜(よし)」
オープン7年目の「喜」ですが、店主の細谷喜憲さんの調理人歴は20年以上。武里団地で生まれ育ち、都内の人気店での修業を経て、地元で開業しました。店舗は居抜き物件のため、洋館風の外観や店内に暖炉があるなどちょっと不思議な雰囲気です。
人気No.1メニューの「激辛石焼き四川麻婆豆腐」は、「辛いのが苦手じゃなければ、ほぼ全員注文する」というほどの人気ぶり。当初は辛さは一つだけでしたが、「おいしいけれど辛すぎる」との声を受けて、辛さ大・中・小の3ランクから選べるようになりました。ちなみに、いわゆる普通の辛さが「小」なのでお間違えなく…。
香りとうま味を引き出すために香辣醤(シャンラージャン)、麻辣醤(マーラージャン)、豆板醤(トウバンジャン)、豆豉醤(トウチジャン)など複数のジャンを独自で配合。調理が始まると厨房から座席にまで刺激的な香りが漂い始めます(厨房内は目を開けているのも辛いほどだとか…)。
辛さの決め手は刻み青唐辛子! 一口食べると鮮烈な辛さが突き抜けますが、その後でうま味だけがしっかり残るのでまた食べたくなります。アツアツに熱せられた石鍋で提供されるので、最後まで刺激が続きます。

人気No.2は「黒酢の酢豚」ですが、いまイチ押しなのが新作の「中華スパイスチキン」です。
山椒、唐辛子、クミンなどで下味を付けてパリパリに揚げた鶏肉に、揚げネギ、フライドガーリック、干しエビなどを混ぜたチップスをどっさりと振りかけています。「ちょっと食べにくいですが、中華の奥深さ、幅広さを知ってもらえたら」と細谷さん。「お皿に残ったチップスもおいしいので、チャーハンにかけたり、お酒のおつまみにも人気です」
中華料理 喜(よし)
住所/埼玉県越谷市千間台西4-1-44
営業時間/11:30~14:00L.O. 17:30~21:30L.O.(土・日・祝17:00~/日・祝~21:00L.O.)
定休日/月曜
電話/ 048-973-3677
【越谷】こしがや愛されグルメ認証「四川坦々麺」と人気を二分! 「中華キッチン ぐら」の四川麻婆豆腐はご飯が進む味
越谷駅西口の住宅街にたたずむ「中華キッチン ぐら」は、都内のホテルや四川料理店で修業を重ねた小椋亘さんが、2009年に地元の越谷で独立開業。小ぢんまりとした店構えながら、小さな子ども連れも歓迎のアットホームな“町の中華屋さん”です。
「駅から近いんですが、ちょっと分かりにくい立地で“隠れ家”みたいと言われることも」と小椋さん。地元なので、学生時代の同級生や昔なじみの人たちが足を運ぶことも多く、「懐かしい人たちが思い出して来店してくれると、やっぱりうれしいですね」と照れ笑い。

お店の看板メニューは、濃厚白ごまと自家製ラー油の香りと辛みのバランスが絶妙で、こしがや愛されグルメに認証された「四川坦々麺」900円ですが、それと人気を二分するのが「四川麻婆豆腐」です。
どちらにも同じ自家製ラー油と挽き肉を使っていて「自家製ラー油は、辛さだけでなく香りが違います。挽き肉は下味をしっかり付けて一度炒めて加えることで、うま味を引き出しています」と小椋さん。山椒のシビれる香りが後を引き、ご飯と一緒に食べるとちょうどいい味付けととろみが絶妙!
ディナータイムは単品で880円ですが、ランチタイムは同じ価格でライスとスープ付きの定食に。さらにご飯はお代わり無料なので、がっつり食べたい男性客に好評です。
その他、「海老のチリソース煮」1,100円、「豚肉入りあんかけチャーハン」1,000円、「春捲(はるまき)」2本380円、「ごま団子」2個420円など、いわゆる中華の定番料理を網羅。小椋さんは「都内まで出掛けて行かなくても、近所で気軽に本格中華を楽しんでほしい」と話しています。
住所/埼玉県越谷市宮本町1-165-6
営業時間/11:30~14:30L.O. 17:30~21:30L.O.
定休日/水曜
電話/048-964-5340
【吉川】ガラスの器で提供される「白い麻婆豆腐」とは…!? 3種の麻婆豆腐をそろえる「中華処 萬万亭」
吉川駅北口、いちょう通りに店を構えて33年の「中華処 萬万亭」。現在は2代目の鈴木正寛さんが腕を振るいます。

「中華は油っこいイメージがあると思いますが、うちは『薬食同源』を掲げ、地元・吉川産の地場野菜をたっぷり使って、調味料からできる限り無添加・手作りで健康的な料理を提供しています。日本ではまだ珍しい中国の伝統料理から創作料理まで、いい意味で『期待を裏切る店』でありたい」と鈴木さん。
麻婆豆腐はなんと3種類あります。
人気No.1はやっぱり「四川麻婆豆腐」。本場・四川省産の豆板醤(トウバンジャン)と山椒粉を使った「シビ辛」味。アツアツの土鍋仕立てで提供されます。お試し価格のハーフサイズや、辛さも2辛まで無料、3・4辛は+110円、5辛以上は+165円で注文可能です。

一方「昔ながらの麻婆豆腐」770円は日本の豆板醤を使い、山椒を加えない少し甘めの懐かしい味。
そして注目は鈴木さんオリジナルレシピの「白い麻婆豆腐」! 運ばれてくると一瞬「あれ?赤い?」と思いますが、下が白、上が赤の二層になっていて、白の層は角切りの豚肉がごろごろ入った塩味の豆腐料理。
その上から、唐辛子と2種類の山椒を加えて熱した香り油を掛けています。カシューナッツと四川の漬物ヤーツァイの食感が楽しく、上にのせたパクチーがアクセント。豆板醤は使っていないので見た目よりも食べやすく、食べ応えも満点です!
デザートもこだわっていて、2種類の杏仁の実を使った「自家製杏仁豆腐」や、珍しい「青山椒のメレンゲアイス」「バニラアイスの黒酢キャラメリゼソースかけ」など、一度食べてみたいと思わせるラインナップです。
中華処 萬万亭
住所/埼玉県吉川市平沼1-9-6
営業時間/11:30~14:30L.O. 17:00~21:00L.O.
定休日/火曜
電話/048-981-5354
【草加】日本人向けに「本場の味」を追求! 栄養バランスも考えた「Kitchen HOSAKA(ホサカ)」の四川麻婆豆腐
「Kitchen HOSAKA」は、都内の大手中華料理店で10年以上、修業を積み重ねた保坂宏幸さんが、生まれ育った草加の実家を改築して2013年にオープンしました。

中華というよりビストロを思わせる店名と店構えは保坂さんのこだわり。料理にも和食器を使っていて、その意外性も魅力の一つです。「おいしいのは当たり前で、料理は盛り付けの美しさも大事。目の前に運ばれた瞬間から『味わって』もらえたら」と話します。
「どこにも負けたくない」とイチ押しの「四川麻婆豆腐」1,100円は、修業時代に四川出身の調理人から直々に教わったレシピで、本場の味を日本人の口に合わせた“本格派”。食欲をそそる香り、程よい辛みとシビれ、そして保坂さんが大切にしている食材が葉ニンニクです。
かすかなニンニクの香りと爽やかな風味で栄養も満点! 四川の麻婆には欠かせない食材なのですが手に入らないことが多く、通常はニラを使っています。葉ニンニクが入荷した時に注文できたらラッキーですね。

辛いのが苦手な子どもでも食べられる、ラー油と山椒不使用の「麻婆豆腐」935円、その他「麻婆焼きそば」「麻婆麺」もあり…と、メニューの多さもこの店の自慢。ランチセットを含めると実に約160品のラインナップを誇ります。
「ちょっと駅から離れているので、わざわざ足を運んでくれる人をがっかりさせたくないんです」と苦笑いする保坂さん。 ちなみに女性の一番人気は「エビのマヨネーズ和え」990円。オリジナルの和えソースがおいしいと、グループで来ても1人一皿頼むほどとのことです。
Kitchen HOSAKA(ホサカ)
住所/埼玉県草加市氷川町5-7
営業時間/11:30~14:00L.O. 18:00~22:00L.O.
定休日/木曜、他不定休あり。
電話/ 048-999-5066
【三郷】「居酒屋のおつまみ」と侮るなかれ! ホテル出身の中華のプロが開いた「中華風居酒家 はる」
JR武蔵野線「三郷駅」北口ロータリーに面したビルの2階にある「中華風居酒家 はる」は、三郷が地元の齋藤春生さんが2009年にオープンしました。
「『はる』って名前だけで、知り合いが見つけて来てくれたこともあるよ」と話す齋藤さんは、“ヌーベルシノワ”で有名な都内の中華レストランや、ホテルの中華レストランでコックとして活躍した腕の持ち主です。

「お酒が好きだから、居酒屋がやりたくて。居抜きで借りたので前の店の和風なインテリアもそのままだし、居酒屋だけど本格中華が味わえちゃうし、いろいろごちゃごちゃしているのが、いいでしょ」と笑う齋藤さん。
「居酒屋」ではなく「居酒家」としたのは、「わが家に帰るような気分で、気ままに立ち寄ってくつろいでほしい」との思いから。午後6時から深夜まで営業しているので、仕事帰りのサラリーマンや、他の飲食店で働く人たちが仕事終わりに来店することが多いとのことですが、噂を聞きつけて麻婆豆腐を目当てに遠くから足を運ぶ人も。
9割の人が注文するという「麻婆豆腐」は、「これがうちの店の味の基準。この麻婆豆腐が舌に合うなら他のメニューも気に入ってもらえるんじゃないかな」と齋藤さん。
自家製ラー油と花椒(ホアジャオ)を使った四川風で、豆腐は下茹でしてあるので大きめに切っても崩れません。花椒は先に乾煎りしてからミルで挽いて粉末にして使うので香りが一層際立ち、甜面醤(テンメンジャン)のほのかな甘みが辛さとシビれを引き立てます。
見た目は豆腐までしっかり色付いた濃い赤茶色なので激辛味かと思いきや、「お酒がおいしく飲める」程よい辛さと香りで好評。
パラパラ・フワフワ仕上げが自慢のチャーハンを注文して、上から麻婆を掛けるのも人気の食べ方だとか。堅焼きそばに麻婆豆腐が掛かった「麻婆焼きそば」もあります。
中華風居酒家 はる
住所/埼玉県三郷市早稲田1-4-1-2階
営業時間/18:00~25:00(土~27:00、日・祝~24:00)
定休日/月曜
電話/ 048-957-5519