埼玉県川越市を拠点に、花を用いたワークショップを開催するなど、植物と人をつなぐ活動を行っている安田ひと美さん。

活動に込められた思いと今後の展望を聞きました。

苔玉でも盆栽でもない 新しいカタチ「天毬 temari」安田ひと美さん
安田ひと美さんと「天毬 temari」

公開 2022/02/22(最終更新 2022/03/11)

サクラ

サクラ

埼玉県川越市在住。ひとり旅経験を生かして旅エッセイやインタビュー、ローカル紹介メディア等で執筆活動中。散歩道でささやかな幸せを見つけるのが得意。夫婦で飲食店兼シェアスペースを運営しつつ、野菜作りとサボテンと散歩を愛する「好き」が多い30代。

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植物の力で震災の傷を癒やせたら

ガーデンデザイナーとして20年以上のキャリアを持つ安田さんは2011年6月、東日本大震災で甚大な被害を受けた地域を訪れました。

「植物の力で震災の傷を少しでも和らげ、笑顔の数を増やすことができれば」と、本業の傍ら宮城県や福島県の仮設住宅へ赴き花の鉢植えを手渡ししたり、オープンガーデンを立ち上げるなど、地域に暮らす人たちと共に活動を行いました。

2016年には任意団体「花響 hana‐yura」を立ち上げ、福島県会津若松市に拠点を設けて約2年間、継続的に取り組みました。

苔玉でも盆栽でもない 新しいカタチ「天毬 temari」
今までにない新しい植物デザイン

こんな時だからこそ自分で自分を整える

安田さんは2019年に埼玉県へ戻り、「花響 hana‐yura」を一般社団法人に変更。

そして、「予測不能な災害や長引くコロナ禍で誰もが不安を抱える中、自分で自分の心を穏やかに整えることが大切。植物によって人々の心に『灯』をともせたら」と、本年度から「灯(あかり)プロジェクト」を始動。

主に、首都圏の寺院の協力を得て「天毬 temari」のワークショップを開催しています。

苔玉でも盆栽でもない 新しいカタチ「天毬 temari」
小さな松の「天毬 temari」。鉢が無くても根を張って成長する

特殊な技法で土を固めることで、鉢を持たなくても植物が根を張り育つことができる、苔玉でも盆栽でもない新しい植物デザイン「天毬 temari」。しかし、プロジェクトの目的は作品を作ることだけではなく、お寺という静かで平穏な空間で過ごす時間、植物や自分と丁寧に向き合う時間を持つことも含まれます。

参加者からは「今までとは違う安らぎを実感した」との声が多数。

安田さんは新しいカタチでの表現「天毬temari」の存在が、「私たちはもっと自由で軽やかでよいのだ」と人々の心に明かりをともしてくれることを願っています。

※問い合わせ
電話/ 049-265-4972
メール/info@midori-network.net
HP/http://hanayura.hp-ez.com/
一般社団法人 -花響-hana‐yura-