昭和40~50年代に子どもたちが夢中になった合金玩具は、今も熱い注目を集めています。
小材直由(こざい なおよし)さんは1,500体を超えるコレクションを保有する超合金の世界的コレクターとしてメディアでも活躍中です。

公開 2022/03/14(最終更新 2022/03/11)

ロボットアニメから誕生した合金玩具
元祖は、1974(昭和49)年に株式会社ポピー(現株式会社バンダイ)が発売した「超合金マジンガーZ」で、当時のアニメ・特撮のキャラクターは、ほぼ玩具化されたといいます。
「昭和40年代、日本にはメカニックな発想と斬新なアイデアがあり、世界初のロボットアニメが生まれました。海外ではスーパーマン、スパイダーマンといったヒーローものが多かったのでロボットキャラは人気が出て、現在もファンが多いです」と小材さん。

85年までの国産品をコレクション
第2次ベビーブーム後の子どもの人口減少や、家庭用ゲーム機の普及といった時代の変化もあり、20社近くあったメーカーの多くが倒産。
85年以降は海外で生産されるようになりました。
また90年代になると、外国人コレクターによる国産合金玩具の買い占めが顕著に。
「当時私はまだ20代でしたが『日本人が保存しなければ』との思いで全国を飛び回り、買い集めました。玩具屋の倉庫ごと買ったこともあります」
収集品には希少価値のある箱や説明書・付属品も多数。
「最初の頃は段ボールに詰めて倉庫に保存していたのですが、湿気でボロボロに…。紙の保存は難しいです」
2020年には「超合金鑑定室」を開設。
長年のコレクションを保管・展示する他、鑑定依頼にも応じています(一般見学は不可)。
古き良き日本の玩具を後世に残したい
合金玩具は現在も販売されていますが、小材さんは「昭和の日本製」に特別な思いを抱きます。
「会社や工場、金型も残っていないので、もう二度と作れない。ずっしり重たくて危ないけれど、手先を動かし考えながら遊ぶ『知恵の玩具』でもあった。変動はあれど、日本製おもちゃの価値は高まっています。超合金は歴史的なおもちゃであり、日本の古き良き文化だと思っています。こうしたおもちゃ・時代があったことを後世へ伝えたい」と力強く話してくれました。(取材・執筆/aki)
超合金コレクター小材直由 超合金鑑定
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