「ふなばしSDGsの会」は生産者や小売業者を中心に、地元船橋への熱い思いを持つメンバーが集う会。3カ月に1度、船橋商工会議所で食事を楽しみながら行われています。

公開 2024/03/26(最終更新 2024/03/25)

編集部 R

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「ちいき新聞」編集部所属の編集。人生の大部分は千葉県在住(時々関西)。おとなしく穏やかに見られがちだが、プロ野球シーズンは黄色、Bリーグ開催中は赤に身を包み、一年中何かしらと戦い続けている。

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船橋で、現場で働く人の声を聞きたくて

飲食店事業やコンサルティング事業を営む富樫義行さんは、船橋生まれの船橋育ち。

大神宮で名前を授かり、七五三、結婚式も大神宮、披露宴は船橋市本町の東魁楼(とうかいろう)という生粋の船橋人ですが、40年以上の都内勤務の間は、船橋は文字通り寝るために帰るベッドタウンでした。

昭和29年の船橋駅近く。画面左手の大衆食堂を営んでいたのが富樫さんの祖母。母親もすぐ近くで甘味処の店を開き、三代にわたって船橋で飲食店を経営することに(撮影/手塚博禮氏 船橋市郷土資料館蔵)

起業後、シャポー船橋店へパスタの店を出店することになったのをきかっけに、自称「船橋の新人」として船橋市での活動を開始しようと決意します。

「船橋のさまざまな現場で働く人の声を聞きたい」と思った富樫さん。

最初に声をかけたのが、船橋の小松菜生産者としてメディアにもたびたび登場する、西船橋ひらの農園の平野代一さんです。

二人は意気投合し、その日の夜に西船橋の居酒屋で「ふなばしSDGsの会」を結成。

2022年6月のことでした。

平野さん(左)と富樫さん

同年11月に最初の定例会を開催、回を重ねるごとにメンバーも増えて現在は20人ほど。

2月22日には第6回の定例会が開かれました。

船橋の点と点、過去と未来をつなぐ

発表中でも参加者から自由に質問でき、直接やりとりする場面も

会場ではスクリーンに向かって机がコの字形に並べられています。

向かいの席の人にも十分声が届く距離なのは、会食中でも気軽に質問したり、話かけたりできるようにとの意図から。

会を通じて船橋で「点」として存在していた人財が、少しずつ「線」で結ばれています。

毎回誰かが30分ほど活動報告を行った後に会食となります。

会食として用意されたのは、市内に店を構える+naturi(プラスナチュリ)の腸美人弁当

今回の発表者は平野会長。

今では船橋名産として広く認知されている小松菜が、どのような活動を経てきたのかを説明しました。

その中で「畑に体験授業に来てくれた小学生が10年もたてば大人になって『小松菜ハイボール知ってる?』と、市外県外の友達に広めてくれる。子どもの頃から身近にあった小松菜が好きで、食べ続けてくれるのはうれしいこと」と食育の大切さを語りました。

点と点だった船橋人財がつながって線や面になる一方、連綿と続く時間軸での連なりは地域での食文化を育んでいきます。

発表後、参加者は会食や自己紹介タイムで親睦を深めていました。

自己紹介での1コマ。話がジャンベ(太鼓の一種)に及ぶと、すかさず商工会議所メンバーがスクリーンに映し出す連係プレーも

会への参加条件はいくつかありますが、「船橋が好きで、船橋を良くしたい」という思いの持ち主であることが大前提。

「話す時は主語を『私が』『自分が』ではなく、『われわれ(=船橋)』にするのがポイントです」と富樫さん。

ここで生まれたつながりから新しく広がる「何か」に胸が躍ります。

取材当日の活動報告。これまでの小松菜の普及活動について発表する平野会長

問い合わせ
電話番号/047-455-8640
パスタ・デ・スマイル 富樫