生前整理と聞くと「まだ早い」と思う人も、日々のお掃除、お片付けの延長と考えると始めやすいかも。古物商、遺品整理士の資格を持つ専門家に話を聞きました。
教えてくれたのは

| 髙城 衛紅(えいこう)さん |
|---|
| 昌和産業株式会社 スタッフ・遺品整理士 |
公開 2026/06/03(最終更新 2026/05/29)
大切な家族の負担を減らすために
生前整理とは、自分に万が一のことがあった時に、残された家族や身内に負担がないように、肉体的にも精神的にも元気なうちに身の回りの物や財産をあらかじめ整理しておくことをいいます。
生前整理ができていない場合、自分が亡くなった後に不要な物や処分に困る物を遺族が片付けることになり、手間と時間とお金もかかります。
独居だった場合、賃貸でも持ち家でも、早々に家の中を整理して売り手・借り手を見つけなければ、誰も住んでいない「空き家」に家賃や固定資産税を払い続けなければならないケースも。
遺族が近くに住んでいるならまだしも、離れているなら何度も通って作業をすることになり、働き盛りの現役世代には大きな負担となりかねません。
生前整理を行うことで、こうした負担を減らせる他、財産分与がスムーズに進められ、相続問題を軽減することにもつながります。
棚1段からでもOK! 手を付けてみよう

「やった方がいいとは思うけれど、どこから手を付けたらいいか分からない」という人も多いと思います。まずは、家の中の高い所、低い所の収納から始めてみましょう。
高齢になって足腰や腕の筋力が弱くなると、天袋やたんすの上などの高い場所や、逆に床下収納などの低い場所から物を出し入れすることが容易ではなくなります。
一度、出したものがしまえなくなると、窓際や廊下などに置きっぱなしになり、つまずくことでけがをしたり、窓が開けられず換気不十分による健康被害の懸念も。
そもそも、普段から頻繁に出し入れしない場所にしまってある物は、今後の生活にも活用されないことが予想できます。
思い切って処分する、子や孫世代に譲る、価値あるものなら買い取り業者に買い取ってもらってお金に換えることも。
そして、どうしても手元に置いておきたい物ならば手が届く場所に収納する、その代わり、それを置きたい場所に今置いてある物を整理して処分しましょう。そうすることで、徐々に部屋全体の片付けを進めることができるのではないでしょうか。
信頼できる専門業者を見つけよう
このように、どこか1カ所に手を付けて、少しずつ片付けを始めるのがコツです。
棚1段でも、すっきりさっぱりとした様を「気持ちいいな」と思えたなら、「よし、また頑張ろう」という意欲が湧いてくるもの。
部屋が明るく感じる、家の中の移動にストレスがない、そうした「快適さ」を感じられたなら、さらにペースアップできるかもしれません。
また、信頼できる専門業者を見つけるのも作業を進めるポイントになります。
部屋の片付け、清掃から不用品の回収までまとめて依頼できる業者であれば、依頼する作業が省けて、トータルの費用も抑えられます。
不法投棄などのトラブルに巻き込まれないよう、回収した不用品を適正に処理している業者を選びましょう。不用品の買い取りは「古物商許可証」を持つ業者に依頼しましょう。
こうした掃除や片付けの作業には、ある程度の体力・気力が必要です。
元気なうちに始めたなら、すっきりした部屋を見て気分がリフレッシュされた時に、次の新しい目標や、やる気が湧き上がるかもしれません。
人生100年時代、少し身軽になって快適な生活の再スタートを切ってみてはいかがでしょうか。
