「関節リウマチ」と聞くと、関節が変形する病気、というイメージを持つ人がいるかもしれません。
関節リウマチは関節の腫れや痛み、こわばりなどの症状が現れる病気です。
「朝起きたばかりは手が動かしにくい」「手指の関節に違和感がある」「関節の痛みがなかなか治らない」など、関節に気になる症状がある人は、その日の体調や年齢のせいと決めつけず、一度医療機関に相談してみましょう。
今回は、関節リウマチの基礎知識から初期症状・治療法まで、そがリウマチ・整形外科 院長の梨井 泰鉉(りい たいけん)先生にお話を伺いました。
教えてくれたのは…
そがリウマチ・整形外科 院長の梨井 泰鉉(りい たいけん)先生

千葉大学の関連病院で一般整形外科の研修を修了した後、35年間にわたりリウマチの専門医(日本リウマチ学会認定リウマチ指導医)として診療。人工膝関節のコンピューター手術の研究でアメリカ留学も経験し、リウマチの最新治療にも携わる。それらの経験を生かし、地域の人のリウマチや膝・股関節などの痛みの治療に尽力すべくクリニックを開業。
公開 2026/10/28(最終更新 2026/10/27)
目次
関節リウマチとはどんな病気?
私たちの身体には、細菌やウイルスなどの異物から身体を守る「免疫」という仕組みがあります。関節リウマチは、何らかの原因でこの免疫の働きに異常が起こり、自分自身の身体を攻撃してしまう病気です。
主に関節を中心に炎症が起こることで、関節の腫れや痛み、こわばりなどの症状が現れます。症状が進行すると関節の変形や機能障害につながることもあるため、早期に発見し、適切な治療を始めることが大切です。
関節リウマチの初期症状は?見逃したくないサイン
関節リウマチの初期症状として多くみられるのが、手のこわばりや関節の痛みです。特に、指の付け根MP関節や指の付け根から2番目にある「PIP関節(近位指節間関節)」に痛みや腫れが生じることが多いです。しかし、膝、肩、肘、足首など大きな関節から発症する場合もあります。
また、関節リウマチでは、「痛みがあるけれど、動かさなければ痛くないから」と、そのまま様子を見てしまうケースがあります。しかし、症状を放置すると関節の炎症が進み、固まって動かしにくくなることがあります。
足の関節にも注意が必要
関節リウマチは、手だけでなく足にも症状が現れることがあります。当院でも、足の痛みや腫れを訴えて受診される患者さんが少なくありません。痛みをかばって歩いているうちに慣れてしまい、特に若年層は受診せずに放置してしまうケースもあります。
自己判断で様子見を続けず、「普通の日常生活が送れない」「痛みが続く」場合は早めに医療機関を受診することが大切です。
関節リウマチと痛風の違いは?
足の指の関節が痛む病気として、痛風もよく知られています。痛風は、足の親指の付け根に突然強い痛みが起こり、赤く腫れたり、熱を持ったりする「急性痛風発作」を伴うことが多いのが特徴です。
一方、関節リウマチでは、手指や足の指など複数の関節に痛みや腫れが生じることが多いです。ただし、症状だけで自己判断することは難しいため、関節の痛みや腫れが続く場合は、医療機関で検査を受けることをおすすめします。
関節リウマチになりやすい人は?原因は?
関節リウマチの原因は、現在もはっきりとはわかっていません。
以前は40代の女性を中心に発症するケースが多いとされていました。しかし、近年は高齢化に伴い、50代以降で発症するケースもみられます。女性に多い病気ですが、高齢になってから発症する場合では、男女差があまりないともいわれています。
遺伝的な要因も関係すると考えられており、一卵性双生児の場合、片方が関節リウマチを発症すると、もう一方も発症する割合は約2割とされています。ただし、遺伝だけで発症するわけではありません。
また、発症や病気の進行には、喫煙習慣や歯周病などが関係すると考えられています。関節リウマチの予防や治療のためにも、喫煙習慣を見直し、歯周病がある場合は適切な治療を受けることが大切です。
関節リウマチは何科を受診すればいい?
関節リウマチが疑われる症状があっても、「近くにリウマチ専門医がいない」と受診をためらう必要はありません。
リウマチ専門医は限られていますが、まずは整形外科や内科などの身近な医療機関で相談し、診断や検査を受けることが大切です。必要に応じて、リウマチ専門医のいる医療機関を紹介してもらうこともできます。
「手のこわばりや関節の痛みが続いている」「関節が腫れている」など、気になる症状がある場合は、自己判断で放置せず、まずは医療機関を受診しましょう。
関節リウマチの治療は「薬物治療」が中心
関節リウマチの治療では、関節の炎症を抑え、関節の破壊や変形を防ぐことを目的に、薬物治療を行います。
薬物治療の中心となるのが、抗リウマチ薬です。
患者さんの症状や病気の状態を確認しながら治療を進め、必要に応じて、免疫の働きを調整する薬や免疫抑制薬を使用します。
そして、治療経過や症状などを踏まえ、必要に応じて生物学的製剤やJAK阻害薬などの治療も検討します。
患者さんの症状や病気の進行度、これまでの治療への反応などを考慮しながら、一人ひとりに合った治療方法を選択します。リハビリテーションや手術が必要な患者さんには適切に対応する必要があります。
一方で、治療を継続するうえでは薬の費用負担も大きな問題となります。実際に、薬が高額であることを理由に、通院や治療を続けられなくなってしまう患者さんもいます。治療効果だけでなく、費用面も含めて相談しながら、無理なく治療を続けていくことが大切です。
最近はバイオシミラーと呼ばれる特許が切れた生物学的製剤と同等の効果と安全性が確認されている薬によって治療時の薬の費用負担を少なくすることができることもあります。
関節リウマチと診断されても、できることはたくさんあります

関節リウマチと診断されても、治療を続けながら仕事、スポーツなどを続けている方もいます。
大切なのは、関節の痛みやこわばりを「年齢のせい」「そのうち治る」と放置せず、早めに医療機関へ相談すること。そして、関節リウマチが疑われる場合には、専門的な知識を持つ医師を紹介してもらい、自分に合った治療を受けることです。
「関節リウマチとはどのような病気なのか」「どのような治療を行うのか」「治療によってどのような変化が期待できるのか」など、正しい知識を知ることも、治療への第一歩になります。
関節リウマチについて学べる公開講座を開催
今回の公開講座では、関節リウマチがどのような病気なのかや、現在行われている治療について、リウマチ専門医がわかりやすく解説する予定です。
さらに、関節の破壊が進んでしまった患者さんの症例や、治療によって症状が改善した患者さんの例なども紹介しながら、関節リウマチの治療についても詳しくお話しします。
講演後には、質疑応答の時間も予定しています。
関節リウマチについて詳しく知りたい人や、気になる症状がある人は、こうした機会を利用して正しい知識を得るのもよいでしょう。

事前申込: https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSca4wrn7cgG5Fe7V6gvcTrsPcE9OHQp_lrCtKdLasepEA5wlg/viewform?usp=send_form
会場:TKP千葉駅東口ビジネスセンター カンファレンスルーム3A
住所:千葉県千葉市中央区新町1-20 江澤ビル 3階
交通アクセス:JR総武線 千葉駅 東口 徒歩4分
京成千葉線 京成千葉駅 京成東口 徒歩4分
京成千葉線 千葉中央駅 西口 徒歩4分
※駐車場なし。近隣のコインパーキングをご利用ください
※定員に達した場合は、お申し込みをお断りさせていただくことがございますので、あらかじめご了承ください。数に余裕がある場合は当日参加も可能です。
〈お申し込みに関するお問い合わせ先〉
市民公開講座 運営事務局[Email]sagano-spl@saganocorp.jp
主催:サンド株式会社