千葉県市原市に拠点を置く、プラント専門の建設工事会社の代表・中村博幸さんに、これまでの歩みや仕事の魅力、会社について、お話をお聞きました。

有限会社常陽機設 代表取締役 中村博幸さん
1984年創業、千葉県市原市に拠点を置くプラント専門の建設工事会社代表。18歳から断熱工事に携わり、「1級熱絶縁施工技能士」などの資格を取得。28歳で現場監督を務め、2015年に代表取締役に就任。「真剣に良いモノを作る」を大切に、高い技術と環境づくりで会社を牽引しながら、子どもたちへ建設業の魅力を伝える活動にも取り組んでいる。

公開 2026/10/16(最終更新 2026/10/16)

18歳から歩み始めた断熱工事の世界

―業界に入られたきっかけと現在までの歩みを教えてください

私はもともと北海道の函館市出身なんです。父親が地元で配管設備の会社をやっていたので、その影響は大きいですね。千葉県で仕事を始めることになったのも父親がきっかけでした。

―どういった経緯で千葉県へ?

北海道って、雪の降る冬から春先にかけて閑散期になるんです。対して千葉県は、大きなプラントがあって、年間を通して仕事が豊富にあったので、出張で父親が働きに行っていました。そこで元請け会社さんから「千葉県でやってみないか」とお声がけをいただいたのをきっかけに、父親が一足先に市原市で断熱工事の仕事を始めたんです。

私自身はというと、高校があまり合わなくて17歳の時にやめ、車の免許費用を稼ぐため、単身、愛知県岡崎市へ。トヨタ自動車の期間従業員として3カ月ほど働きました。

常陽機設・代表取締役 中村博幸さん|時代が変わっても残り続ける「職人技」を未来へつなぐ

―すごい行動力ですね!

若かったからね(笑)。免許取得後、父親から「すぐにこっち(千葉)に来い!」と呼ばれ、18歳になってすぐに千葉県へ行き、父親と一緒に断熱工事の仕事を始めたのが最初です。

その後、断熱工事の専門学校に1年通い、現場で腕を磨きながら「熱絶縁施工技能士」の2級、1級を取得していき、最終的には職業訓練校で教えられる「指導員免許」まで取得しました。

この頃には、弟と母親も市原市に移り住んでおり、一家全員でこの地に根を下ろし、35年ほど続けています。

断熱工事の仕事が「天職」になるまで

―キャリアは40年ほどになりますが、仕事に悩んだ時期はありますか?

20代後半に一度、すごく悩んだ時期がありました。国の労働時間制度が変わって日給制の給料が落ちてしまい「このままじゃ将来生活できないかも」と不安になり、北海道に戻ったんです。断熱工事の仕事から離れて、アルバイトや他の仕事をしたりしながら過ごしていたら、弟から「戻ってきてくれ」と連絡をもらって、家族や一緒に働く仲間のために戻ることにしたんです。

その時に「もうこの仕事で一生、生きていくんだ」と覚悟を決めました。

―それ以降は迷うことはなく、この道一筋に?

自分の中で気持ちを切り替えましたね。その後は、28歳で現場監督になり、自分たちで工事全体を直接請け負う体制にもシフトしていき、2015年に常陽機設の代表取締役に就任しました。

38歳頃かな、「この仕事をやるために生まれてきたんだな」と、心底思えるようになりましたね。

常陽機設・代表取締役 中村博幸さん|時代が変わっても残り続ける「職人技」を未来へつなぐ
優秀施工者国土交通大臣顕彰(建設マスター)をはじめ、多くの賞を受賞

―迷いや葛藤を乗り越え「天職」だと確信されたのですね。仕事で大切にしているスタンスはありますか?

時間をつぶして給料をもらうのではなく、「1日の中でいかに真剣に良いモノを作るか」「どれだけ価値のあるモノを作ったか」を一番大切にしています。一生懸命作った物は美しく、何より長持ちします。他社には負けない仕上がりとスピードを追求する姿勢は、うちの現場責任者たちにしっかりと受け継がれています。

社会を陰で支える「一生モノの仕事」

―手がけられている「プラント断熱工事」について教えてください

石油化学プラントなどの工場内にある配管やタンクに、熱が逃げないように(または冷たさが逃げないように)特殊な保温材・保冷材を取り付けるお仕事です。これがあることでエネルギーロスを防ぎ、工場が安全かつ効率的に稼働することができるんです。

常陽機設・代表取締役 中村博幸さん|時代が変わっても残り続ける「職人技」を未来へつなぐ
子どもたちに「建設業や職人の仕事を知ってもらいたい」と、絵本「まちを ささえる て」を出版。絵本の中には常陽機設の人の姿も

―産業やエネルギーを陰で支える重要なお仕事ですね。やりがいや魅力は?

最大の魅力は、自分が手がけた仕事が形として長く残り続けること。30年前に私が取り付けた設備が、今でも市原の街にたくさん残っています。

AIや自動化が進む現代ですが、この断熱工事は職人による手作業が欠かせません。時代が変わっても人の手でしか作れない「絶対に無くならない仕事」であることも大きな誇りです。

圧倒的な「安定性」と「手厚い待遇」が常陽機設の強み

―同業他社と比較した時の強みは何ですか?

一番の強みは「経営基盤の圧倒的な安定性」です。業界最大手の元請け会社の一次協力会社であり、市原の二大プラントに常駐現場があるため、通年で安定した仕事量があります。

また社員の「休日と待遇」にも自信があります。日曜は完全休日ですし、ゴールデンウィークや夏季休暇も確保できるなど、無理なく働ける環境を整えています。

―社内の雰囲気や社員との関わり方はいかがですか?

とてもアットホームですよ。コロナ禍でしばらくイベントを控えていましたが、先日イタリアンレストランを貸し切って6年ぶりに新年会を開催しまして、大いに盛り上がりました。一度転職した社員が「常陽機設の環境や待遇が一番良かった」と言って戻ってきてくれたこともあり、嬉しかったですね。

常陽機設・代表取締役 中村博幸さん|時代が変わっても残り続ける「職人技」を未来へつなぐ
年齢や経験年数関係なく、人間関係が良好なのが常陽機設の自慢!

―これから働く、働きたいと思っている高校生や若い世代へ伝えたいメッセージは?

まずは途中で諦めず、少し踏ん張って続けてみてほしいということ。この仕事は、本人のやる気と頑張り次第で収入が変わります。実際に現場の作業員で年収1,000万円を超える社員もいますからね。頑張りがそのまま収入として跳ね返ってくる面白さを、ぜひ味わってほしいです。

未経験でも先輩たちがしっかり育てていきますので、安心して飛び込んで来てください!

時代が変わっても選ばれ続ける会社であるために

―最後に、今後の展望をお聞かせください

人手不足の時代だからこそ、「働く人から一番に選ばれる会社」でありたいと考えています。設備や環境をさらに整え、市原の未来を担う若い世代に「この街にはこんなにやりがいのある仕事と魅力のある会社があるんだ」ということを発信し続けていきます。そして、社会に必要な職人の技術を未来へ繋いでいきたいと思っています。

企業Data
有限会社常陽機設
所在地/〒299-0102 千葉県市原市青柳2129-2
電話/0436-37-6066
FAX/0436-37-1136
ホームページ/https://www.jyoyokisetsu.com/
設立/1984年11月15日
従業員数/70人
事業所/市原市
事業内容/石油化学プラント機器および配管、断熱工事・足場工事

【会社見学】【職場体験学習】【オンライン説明】対応可