君津市にあるドリプレ・ローズガーデンは、人も動物も昆虫も、みんなウエルカムな憩いの場。
無農薬で育ったバラや四季の花々が楽しげに咲いています。
清水節江(愛称・せつ)さん、幸三さんご夫婦が愛情をかけて造り上げた楽園がそこにありました。
あらゆる生き物が共生できる庭園を
30年前、とある庭園でバラのとりこになったせつさん。
川崎市の自宅の庭でバラを育て始めたましたが、住宅地では軽い農薬散布だけでも気兼ねしたそうです。
「広い敷地で群植したい」と、幸三さんと土地を探しに房総半島へ。
道が通じていて平らで自然樹形の立派なエノキがある現在の場所を見つけ、毎週末、テント生活で開墾に精を出しました。
二人を出迎えたのは、リスやカエルなどの動物たち。
ノウサギの一匹を「ピーター」と名付けました。
近隣の住人からの差し入れも励みになったと言います。
2年がたち、形ができてくると見物する人が増えてきたため、2010年、有料公開に踏み切りました。
▲ブルーデイジーが美しい庭園
しかし、農薬を使い始めると敷地から生き物が姿を消し、ピーターも現れなくなってしまいました。
「多様な生き物が暮らせる自然な庭園にしたい」という理想をかなえるため、2012年から完全無農薬栽培に転換、試行錯誤を繰り返し現在に至ります。
5月から6月中旬は、香り豊かなイングリッシュローズとオールドローズを中心に、350品種2500本のバラが園内を彩ります。
▲イングリッシュローズのパットオースチン
カフェとアンティークショップも併設。
いつの間にかすみ着いた8匹のネコもいて、気まぐれに案内役を務めてくれます。
▲お客さんまだかニャ~
▲ベンチの下でくつろぐ猫たち
無農薬栽培、耐えた3年間
一方、バラに無関心だった幸三さんを夢中にさせたのは無農薬栽培。
自家製微生物資材などあれこれ試しましたが、害虫や病気のまん延は防げず、心が折れかかっていました。
そんなとき、ハワイで無農薬植物園を経営していた大先輩が来園し、「素晴らしい庭だ。3年我慢してごらん」と助言をくれたそうです。
言葉通り約3年たったころ、害虫の天敵であるクモやカエル、野鳥などが戻ってきました。
生態系が変化したのです。
▲園内のビオトープ
バラ自身が本来持つ免疫力も高まり、「今年は6月下旬に3番花が咲いた」と、確かな手応えを口にする幸三さん。
「万物は自然のままが一番美しい」との持論を持ち、無農薬栽培の研究を進める幸三さんと、花々を増やしたいせつさん。
2人のチャレンジはまだまだ続きます。
▲猫のレアちゃんと園内を回る清水夫妻
園内はバリアフリー。
「お年寄りや障害のある人にもたくさん来ていただきたい」とのことです。
「いよいよバラの季節到来」
日時/4月25日~5月15日
午前10時~午後5時
場所/君津市大野台815-85
期間中無休
料金/800円
80歳以上、障害者手帳をお持ちの人は無料
※バラのハイシーズンである5月16日~6月7日は入場料950円(税込)
5月16日以降の詳細はHPで確認を
※5月23日・24日に予定されていたマルシェイベント「納屋バザール」は中止になりました
問い合わせ/0439(37)3767