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【船橋市】大切な器を直し慈しむ、金繕い工芸作家の白鳥由加利さん

金繕いとは、割れや欠け、ひびなどで破損した陶磁器を直す技法のことです。

室町時代発祥のこの伝統工法が注目を集めています。

金繕い工芸作家の白鳥由加利さんに話を聞きました。

金繕い工芸作家の白鳥由加利さん
白鳥由加利さん

室町時代発祥の漆芸の修復技術

金繕い工芸作家の白鳥由加利さんが金継ぎを施した器
白鳥さんが金継ぎを施した器の数々

英語でJapanとも訳される漆。

日本人が器の修繕に漆を用いた歴史は古く、縄文時代にさかのぼります。

「金繕い」と呼ばれる修復技法が成立したのは室町時代。

茶道文化の発展に伴い、破損した陶磁器を漆の技術をもって繕ったのが原点といわれています。

その継ぎ目を器の「景色」に見立て、破損する前とは異なる趣をめでたといいます。

金繕い工芸作家の白鳥由加利さんは、船橋市で「藤那海工房」を主宰する傍ら、首都圏のカルチャーセンターで現在26もの講座を受け持ちます。

以前から窯元巡りが趣味で、器を集めていた白鳥さん。

大切にしていた備前焼のカップの欠けを「なんとかしたい」と請負業者に託したのが金繕いとの出合いでした。

「大切な器だからこそ、しまい込まずに日常の中で使いたい。でもどんなに丁寧に扱っても割れたり欠けたりするのが器です。金繕いを施されて戻ってきたカップは、別の風情がつき、まったく違う魅力を備えていました。自分もできるようになりたい、と強く思いました」と振り返ります。

日本の暮らしの原点。物を大切にする心

金繕いの他、さまざまな工芸を手掛ける工芸家に師事して20年。

これまで、エコロジー、もったいない運動などさまざまな理念と結び付けて金繕いは話題に上ってきました。

しかしここ数年で知名度は格段に上がったと白鳥さんは指摘します。

「効率第一で突き進んで来た日本に、いったんストップがかかりつつあるのかなと感じます。手仕事に注目が集まり、ものを大切にする感性、丁寧に暮らすという日本人の心の原点に戻っているのかもしれません」

金繕い工芸作家の白鳥由加利さんの蒔絵を施した器
縁の欠けを三日月の形の蒔絵に
金繕い工芸作家の白鳥由加利さんが、呼び継ぎという技法で修復した器
本体とは違う破片を入れて修復する「呼び継ぎ」という技法

器の割れや欠けを隠さず認め、直した跡を美しいとめでる日本独自の文化。

金繕いが、より身近で日常的なものになればと白鳥さんは抱負を語ります。

「器は毎日使う身近な存在です。愛着のある器を長く大切に使うお手伝いができたら」と穏やかに話してくれました。(取材・執筆/雪道)

問い合わせ/http://www.shiratoriyukari.flop.jp/
      金繕い 白鳥由加利

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ちいき新聞 レポーター

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