外国に興味を抱いたり、地球は水の惑星だと実感したり、想像力や好奇心をかき立ててくれる地球儀が、新たな知育教具として進化していると聞き、草加市の渡辺教具製作所を訪ねました。
公開 2021/09/13(最終更新 2021/09/10)

職人の手仕事で仕上げられる地球儀
大きな地球儀が目印の本社で迎えてくれたのは取締役会長の渡辺美和子さん。

ショールームに並ぶさまざまな地球儀は、国別に色分けされた「行政タイプ」と、地理的な特徴を記載した「地勢タイプ」に二分されます。
「平面の地図を立体の球面に貼り付ける高度な技術が求められる」という地球儀の製作は、昔からの手貼りと機械貼りがあります。
機械貼りでも二つの半球を組み合わせる工程は、職人の手作業で一つ一つ丁寧に作られています。

2階に併設された「ミニ博物館地球& 宇宙」は現在コロナ対策で休館中ですが、プラネタリウムや希少な鉱物コレクション、地球や宇宙に関する資料を展示しています。
中には受注生産された「温暖化予想地球儀」「バルチック艦隊航路入り地球儀」も紹介されていて、立体で視覚化することで理解がより深まると実感できます。
地球を知り、環境問題を考えるきっかけに
同社が開発に携わった「ほぼ日のアースボール」が、7月に日本文具大賞の機能部門グランプリを受賞。
専用アプリをダウンロードしたスマホやタブレットをかざすと、さまざまな情報がAR(※)で地球儀に映し出されるというもので、草加市ふるさと納税の返礼品にも登録されています。
※実際の画像や映像にデジタル情報を合成し、現実の世界に仮想空間を作り出す技術
他にも、知りたい国の情報や音声解説に対応したキッズタブレット付きの地球儀や、小さな子どもでも知らない国を簡単に探せる色別索引地球儀も登場。

また、絶滅危惧種に指定された動物が描かれている「こども環境地球儀ハトホル」は、付属のコミュニケーションブック(生態や習性、生息地、絶滅危惧理由などを記載)を活用して種の絶滅問題を考えてほしいとの思いが込められています。

「地球温暖化が深刻化している。宇宙から見た地球の姿から、環境問題に関心を持ってもらいたい」と渡辺さんは願っています。(取材・執筆/aki)
株式会社渡辺教具製作所
住所/埼玉県草加市稲荷3-20-14
電話/ 048-936-0339
HPH/https://blue-terra.jp