千葉県習志野市出身、在住の小説家・清水晴木さん。累計6万部突破の『さよならの向う側』シリーズなど多数の執筆した小説の数々は千葉を舞台にしています。そんな清水晴木さんが著作と絡めて千葉の思い出をつづります。

| 清水晴木さん |
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| 1988年生まれ。東洋大学社会学部卒。2011年函館イルミナシオン映画祭第15回シナリオ大賞で最終選考に残る。2021年出版の『さよならの向う側』はテレビドラマ化して放送。『分岐駅まほろし』『旅立ちの日に』『17歳のビオトープ』など著作多数。 |
公開 2026/05/27(最終更新 2026/05/20)
千葉の東京タワー
「習志野市の方角に東京タワーみたいなのありますよね」。
この前、八千代市が地元だという担当編集から打ち合わせの時に言われた。
習志野市で生まれ育った私からすると、北の船橋市の方角にある、あの東京タワーみたいなやつのことだとすぐに分かった。
この付近に住んでいる人はすぐ思い当たるだろう。
それほど目立つタワーだ。
色も赤と白のツートンカラーで形状も東京タワーによく似ている。
そして何より高い。
圧倒的なインパクトを放ってそびえ立っている。
そこで実際に、このタワーのことを調べてみた。
すると正式名称は「船橋三山放送所」とあり、千葉テレビやBAY FM、その他の電波の送受信を行っている電波塔ということが分かった。
高さはなんと180m。
地元の人からは「船橋の東京タワー」や、「三山タワー」と呼ばれているらしい。
大人になって初めて知った事実だった。
私は子どもの頃、友達と自転車をこいで、このタワーの根元の所まで行ったことがある。
あんな大きいタワーのふもとには特別な光景が広がっているのかと思ったが、実際は、住宅街の中にそびえ立っているだけだった。
結局何のための建造物なのかも当時は分からなかったが、千葉の放送を支える電波塔と知った今は、あの日の記憶が特別な情景に変わった気がする。
今もなお、シンボリックな千葉の電波塔はそびえ立ち続けている。
しかしタワーから見下ろす地上の風景は、さまざまな変化があったのではないだろうか。
これからも千葉を支える電波塔として、180メートルの高さから私たちを見守っていてほしい。
