口腔機能低下症とは、加齢や疾患によりかむ力や飲み込み、唾液分泌など口の機能が衰える疾患のこと。口腔機能は食べることと直結するため、適切な診断と指導を受けて低下を予防していきましょう。
教えてくれたのは…

| 守谷あまぐり歯科 |
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| 院長 志賀 千尋さん(右) 歯科衛生士 福井 真帆さん(左) |
公開 2026/08/05(最終更新 2026/07/31)
歯の本数、薬の副作用に注意
主に加齢によるお口の筋力の低下によって、食べ物をかんだり飲み込んだりすることや、言葉を話すこと、唾液の分泌などの機能が低下している状態を口腔機能低下症といいます。診断には7項目の検査を行い、3つ以上が該当すると口腔機能低下症と診断されます。
具体的には、お口の中の衛生状態を把握するために舌苔(ぜったい)の付着度を検査したり、唾液の分泌量の検査でお口の中が乾燥していないかを判断したり、唇や舌の筋力を見るために発音の回数やスピードの検査をしたりします。
虫歯や歯周病などで歯を失ったり、歯磨きなどのケアが行き届かなかったりといったことも症状の原因となりますし、普段飲んでいる薬に利尿作用があることもお口の乾燥の原因となりますので、普段から自分のお口の環境を意識しておきましょう。
お口の機能の低下を防ごう
口腔機能低下症が進行してしまうと、口の中の細菌が唾液と一緒に肺に入って炎症を引き起こす誤嚥(ごえん)性肺炎になったり、かんで飲み込む動作が面倒になって食事が楽しめず、結果として体重が減少したり、滑舌が悪くなって何度も聞き返されることが増え、会話が楽しめなくなったりすることが考えられます。
お口の機能を低下させないためにできることはいろいろあります。普段から早口言葉を練習したり、家族や友達とおしゃべりする機会を増やせるといいですね。カラオケもおすすめです。食事は1口で20回〜30回かむようにし、歯応えのあるものを積極的に食べるように。
歯磨きは1日2回以上行い、特に口臭やお口全体の汚れにつながりやすい舌の汚れはしっかりと落とすようにしましょう。唾液が出にくい方は、うがいや水分摂取を適切に行い、唾液マッサージ(図1)を1日3回行いましょう。ガムをかんだり、ジェルやスプレーといったお口の保湿剤を使用するのもおすすめです。
お口を乾燥させないために
■ 唾液腺マッサージ(図1)

■ 1日5個ガムをかむ
ガムをかむことで、咀嚼筋の強化や唾液分泌の促進を図ることができます。1日に5個程度を目安に取り入れてみてください。

■ うがいをする
500mlの水に小さじ1杯の塩を入れ、約2時間の間隔で1日8~10回うがいをしましょう。唾液腺を活性化し、唾液の分泌を促します。

お口の状態を知るため検査を
口腔機能低下症は気が付かないうちに進行します。この症状について知ることから始め、60代、70代になったら自覚症状がなくても気軽に検査を受けてほしいですね。
コーラスをやっているという高齢者の方が検査を受けにいらっしゃって、数値が非常に良かったので「お友達に自慢するわ」と帰って行かれたことがありましたが、この方のように、まずは自分の今の状態を知ることが大切です。
加齢に伴って、お口周りも体全体と同じように何もしないと衰えてしまうため、筋トレと同じように意識的に動かして鍛えていきましょう。
お口の機能を低下させないために!
■ 舌をしっかり磨きましょう
舌の表面に付着する白い細菌のかたまりのことを舌苔といい、口臭や誤嚥性肺炎の原因になるため舌も意識して磨きましょう。

■ 歯応えのあるものを食べましょう
干し芋、スルメイカ、ドライフルーツ、せんべいなど、歯応えのあるものを積極的に食べ、かむ力をキープしましょう。

■ 定期的に歯医者に行きましょう
悪いところがなくても、定期的な歯科検診を受け、お口の乾燥や機能の低下を早期に発見・対処することが重要です。
