自分たちや両親がいなくなった後の家をどうするのか。相続トラブルを防ぐためにも、今から準備をしておきましょう。

教えてくれたのは…

センチュリー21 みのり開発柏 店長 澤田秀一さん
宅地建物取引士、相続コーディネーター、空き家相談士。相続にまつわる相談に数多く対応。

公開 2026/11/04(最終更新 2026/10/30)

編集部

編集部

千葉・埼玉県在住の編集メンバーが、地域に密着して取材・執筆・編集しています。明日が楽しくなる“千葉・茨城情報”をお届けします!!

記事一覧へ

決断の先送りはいいことなし

夫婦共に逝去した際、その家の法定相続人となるのは多くの場合子どもです。相続を放棄するなら、3カ月以内に手続きをしますが、多額の負債があるといった特殊なケースを除けば、相続を選ぶ人が大半。法定相続人が2人以上いて、遺言書がなければ、どの財産を誰が相続するのかを決める「遺産分割協議」を行う必要があります。

土地や建物を誰の名義に変更するか、相続後は売却するのかどうかを、全員で話し合い、合意しなくてはいけません。法的には、相続から3年以内の相続登記(名義変更)が義務付けられています。時間的に猶予があるように感じますが、できるだけ早めに名義変更を行い、手放すかどうかを決めるのが理想です。

理由の一つは、被相続人の住居(居住用財産で空き家)売却の際にかかる所得税。例えば、売却によって1000万円の所得があれば、支払う所得税は200万円ほど。決して安くない金額です。ところが、特例により適用要件(※)を満たせば、最高3000万円まで控除できます。

ただし、「相続の開始のあった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」という期限付き。処分を先延ばしにすると、控除の特例を受けられる機会を逃してしまう可能性があるのです。

また、遺族が空き家となった実家の手入れをし続けるという話もよく聞きます。定期的に訪問して掃除をしたり、お金をかけて庭木の手入れをしたり…。誰も住まない家に縛られて、貴重な時間とお金を使うのは、もったいないことです。

※1981(昭和56)年5月31日以前に建築された一戸建てで、相続直前まで被相続人が1人で居住していたこと、別荘は除くなどの適用要件あり

残された子どもの負担にならないよう準備を

相続の疑問は不動産屋に聞こう

親世代は「自分たちがいなくなったら、子どもたちの好きにしてほしい」と考えがち。ですが、相続する側の負担を考えると、生前に意思を明確にしておくのが肝心です。遺言書を残すことが一番ですが、厳格なルールがあるため、内容や方法に不備があると法的な効力を発揮しません。

比較的手軽にできるのはエンディングノートの作成です。子どもたちと話し合いながら作成すれば、死後の遺産分割協議もスムーズに進むはず。とはいえ、「土地や建物をきょうだいで共有名義にした方がいいのか」「どこまで細かく記せばいいのか」など、分からないことも多いはず。そんな時に頼れるのは、相続の売却に強い不動産屋です。

実は、数々の不動産を処理してきた経験から、相続の知識はもちろん、司法書士や税理士など専門家とのパイプを持っています。私たちのように不用品回収の業者と連携しているところなら、「実家の片付け問題」もお手伝いできます。

多くの人が初めて経験する相続。生前から適切なアドバイスを受けることで、手続きの負担がグッと軽減されます。「今後、この(あの)家どうしよう」とふと頭をよぎる瞬間があれば、それが相談のタイミング。家族で話す機会をぜひ設けてください。

生前に相談することで悩みがクリアに

家の相続の流れ

家の相続の流れ