心にすーっと入り込む繊細な音色を奏でるバーンスリー。国内外で活躍する寺原太郎さんに、西洋音楽の音階や拍子とは違う体系を持った、北インド古典音楽の魅力を聞きました。

公開 2026/06/17(最終更新 2026/06/15)

まりか

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ネコと旅、お酒を愛する50代。特技は迷子になることなのに、よく道を聞かれます。両親、伯父夫婦の介護に翻弄されつつ、かわいい、おいしい、のんびりを求めてさまよう日々をinstagramに綴っています。本業は社会福祉士。★Instagram★@neko_marika

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インド人間国宝の演奏に魅せられて

雅楽とも通じる、どこか懐かしいバーンスリーの音色
雅楽とも通じる、どこか懐かしいバーンスリーの音色

「1音1音奏でる西洋音楽を12色の色鉛筆に例えるなら、音程間を自在に滑らかに歌いまわすバーンスリーの旋律は数万色の解像度をもつ音楽。最初に聴いたときは、笛からそんな音、無理でしょ!って。衝撃でした」

ジャズバンドでトランペットを吹いていた寺原さんは、1991年当時大阪大学3年生。

インドの人間国宝のバーンスリー奏者、チャウラシア師の来日公演に魅了され、5年後にインドに渡ります。

即興演奏を形づくる「ラーガ」とは

北インド古典音楽は、16世紀のムガル帝国で、王族たちの暮らしを彩った表情豊かな音楽です。

譜面ありきではなく、数百ある「ラーガ」と呼ばれる音階やテーマに合わせて即興で演奏。

季節や時間帯、悲しみや喜びなどの感情まで含んだ音の世界観で、各ラーガには、使用する音、上昇・下降のメロディパターンなどの決まりがあり、この枠組みの中で即興演奏が行われます。

寺原さんは「一音ごとにキャラクター設定が厳密に決まっている音を用いて、その場で物語を作り上げるのです」と語ります。

寺原さんは現在、本場インドでも高い評価を受け、世界各国で音楽活動を継続。

国内では「坂本龍一プロデュースロハスクラシックコンサート2007」、映画「るろうに剣心」、NHK朝ドラ「舞いあがれ!」などで、その音色を一度は耳にしているはず。

10年前、秋祭りに魅かれて、夫婦で佐倉に移り住んだ寺原さん。

海外アーティスト仲間が来日公演する時には、自宅に泊まりに来ることも。

堀田邸や武家屋敷、ひよどり坂などに案内すると、とても喜ばれるそうです。

「阪神・淡路大震災で自宅が全壊、前夜会っていた友人が亡くなった。奇跡的に生き残ったのだからと、大学院を中退してインドに渡る」と言う寺原さんを妻の百合子さんは「私が稼ぐから!」と送り出したそう
「阪神・淡路大震災で自宅が全壊、前夜会っていた友人が亡くなった。奇跡的に生き残ったのだからと、大学院を中退してインドに渡る」と言う寺原さんを妻の百合子さんは「私が稼ぐから!」と送り出したそう

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