標高1000m前後の深山に自生する山ぶどうの樹皮から工芸品を作る初谷(はつや)博さん(76)。かごバッグは習志野市のふるさと納税返礼品にも採用され、人気を集めています。
公開 2026/10/01(最終更新 2026/10/01)
優
「ちいき新聞」で記事を書かせて頂ける幸運にとても感謝しています。取材で訪れた街でのカフェ巡りは私にとって楽しい至福の時間。プロフィールの写真は「南房総に咲く幸せを呼ぶ花」カレンデュラです。取材で一番好きな花に出会えたこと‥うれしいです。すべての記事に「ありがとう」の気持ちを込めて!
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若い頃から山が好きだった初谷博さん。
「山に恩返しがしたい」と、50代で尾瀬の自然保護ボランティアに参加し、山ぶどう細工に出会います。
年月とともに色つやが増し、美しく変化していく、育てるバッグ。
「自分で作って娘に贈りたい」。
そんな思いから制作を始めました。

山ぶどうは樹皮を採取すると、やがて枯れてしまいます。
その希少な樹皮から編まれた作品は非常に丈夫で、親子三代にわたり使える「一生もの」。
また収集してきた古美術品の修復にも取り組んでいる初谷さん。
朽ちていくものを受け継ぎ、新たな命を与えて次へつなぐ。これがリタイア後の仕事になりました。

「経年美化」を体現する人生の達人
現役時代は、津波に遭った仙台の工場を異例の早さで復旧に導くなど、課題を解決するプロセスに喜びを感じていたそうです。

今も対象は変われど、野菜作りなどの「日常が喜び」。
「作物は人の足音を聞いて育つ」と、畑には足しげく通います。

手をかけて育てた野菜を使い、韓国や金沢で習ったキムチや、かぶら寿司を自ら仕込みます。
ドイツで覚えたハム作りはプロ級の腕前。
旅先で出合った味への感動も、わが家の味にしてきました。
「おいしい」「素晴らしい」と心が動いたら、自分でやってみる。
初谷さんの人生は、そんな「感動を形にする」物づくりで彩られています。

好奇心を持ち続けて手を動かし、日常を喜びに変えていく。
そんな日々の積み重ねが人生を「経年美化」させていくのかもしれません。
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理工芸舎