千葉県習志野市出身、在住の小説家・清水晴木さん。累計6万部突破の『さよならの向う側』シリーズなど多数の執筆した小説の数々は千葉を舞台にしています。そんな清水晴木さんが著作と絡めて千葉の思い出をつづります。

| 清水晴木さん |
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| 1988年生まれ。東洋大学社会学部卒。2011年函館イルミナシオン映画祭第15回シナリオ大賞で最終選考に残る。2021年出版の『さよならの向う側』はテレビドラマ化して放送。『分岐駅まほろし』『旅立ちの日に』『17歳のビオトープ』など著作多数。 |
公開 2026/08/12(最終更新 2026/07/29)
幕張本郷駅
幼い頃の最寄りは幕張本郷駅だった。
すぐ隣に多くの車両が待機する幕張車両センターがあるため、駅につながる陸橋の上からは線路と車両が整然と並ぶ光景を望むことができる。
私もだいだい色のカーテンを広げたような夕日に照らされながら、線路の上にとどまり続ける電車を橋の上から眺めることが何度かあった。
そんな慣れ親しんだ幕張本郷駅だったが、駅自体は1981年と四十数年前にできた駅であり、そして隣の幕張駅は1894年という日清戦争の年に開業した駅なのを最近初めて知った。
また、この1894年というのは市川駅から佐倉駅間の総武線が開通した年でもあり、つまり幕張本郷駅と幕張駅では百年近い歴史の差があることになる。
「幕張」と名の付く駅は多い。
幕張駅、京成幕張駅、幕張本郷駅、京成幕張本郷駅、海浜幕張駅、そして3年前に開業した幕張豊砂駅の6つある。
実は小学生の頃、電車よりも陸橋から西側に望む白い大きな鳥を見つめていた。
その白い鳥のマークが徐々におぼろげになることで視力の低下を実感しつつもあったが、いつの間にかその白い鳥自体が姿を消してしまった。
津田沼のイトーヨーカドーのハトのマークである。
現在、幕張本郷駅の西側、習志野市鷺沼エリアの大規模再開発が行われている。
2030年以降にはマンションが建ち並び、また陸橋からの西側の景色も一変するだろう。
その光景を傍らでたむろする車両と共に見守りたいと思う。
街を茜色に染め上げる夕日は、どこに沈むだろうか。
