災害時に「歯と口の健康」を正しく管理・維持することは、命を守ることにつながります。歯科医師が訴える口腔(こうくう)ケアと防災の関係とは?

教えてくれたのは…

Chihiro Shiga
志賀千尋さん
守谷あまぐり歯科 院長

公開 2026/09/02(最終更新 2026/09/01)

編集部

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千葉・埼玉県在住の編集メンバーが、地域に密着して取材・執筆・編集しています。明日が楽しくなる“千葉・茨城情報”をお届けします!!

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命に関わる誤嚥(ごえん)性肺炎を防ぐには

災害時には後回しになりがちな口の手入れ。しかし、阪神・淡路大震災では口腔内の不衛生から多くの人が誤嚥性肺炎を発症したことが分かっています。

誤嚥性肺炎とは、口の中の細菌が唾液と共に肺に入り、炎症を引き起こす疾患です。

特に肺炎リスクの高い高齢者や持病のある人がケアを怠れば、深刻な健康被害につながりかねません。

被災して歯磨きが十分できない状況になっても、できる限り口の中を清潔に保つ必要があります。

非常時でも口を清潔に保つ方法

普段のように歯磨きができない場合は、湿らせた布やティッシュで歯の表面、舌の上、粘膜全体を拭き取りましょう。自分の指で磨いてもOK。

非常用持ち出し袋の中に、歯磨きグッズをまとめた「口腔ケアボトル」をつくって入れておくとよいでしょう。キシリトール入りのガムもリュックに入れておきたい避難グッズの一つです。

グッズを使わないでできることもあります。それは唾液を増やすこと。

唾液には口の中をきれいにする働きがあるため、ガムをかんだり、うがいをしたり、唾液腺マッサージをするなどして、積極的に分泌を促しましょう。

被災して通常の生活が困難になっても「口の健康は全身の健康に直結する」という意識は忘れないでいてください。

いざという時のダメージを少なくするために、普段から定期的に歯科に通院してお口のトラブルの予防に努め、健康な状態をキープしておくことも大切な「防災」対策の一つといえるでしょう。

つくってみよう「口腔ケアボトル」

自宅に備える非常用持ち出し袋には「口腔ケアボトル」も用意しておきましょう。

口腔ケアと防災 口腔ケアボトル

入れておきたいもの一例

・歯ブラシ(歯磨きシート)
・歯磨き剤(液体歯磨き)
・デンタルフロス(歯間ブラシ)
・口腔内洗浄液(マウスウオッシュ)
・キシリトール配合ガム(ショ糖入りのものは避ける)

口腔ケアと防災 口腔ケアボトル

マウスウオッシュや液体歯磨きは、ボトルに入れやすい携帯用の1回使い切りタイプを。水が使えない(使いにくい)時のために、水無しで使える歯磨きシート(または液体歯磨き&指型ガーゼ)も用意しておくとよいでしょう。
その他、義歯(入れ歯)をしている人は、ボトルとは別に義歯洗浄剤や入れ歯ケース(またはチャック付きビニール袋)も忘れずに。入れ歯は乾燥させないよう、湿った布(ウエットティッシュ)などでくるんで保管を。
キシリトール配合ガムは、歯科医院で販売しているものなら余計な成分が入らず安心です。

唾液腺マッサージ

口腔ケアと防災 唾液腺マッサージ

耳下腺

4本の指を上の奥歯辺りに当て、後ろから前に円を描くように回す

顎下腺

耳の下から顎まで、骨の内側の柔らかい部分を順に押していく

舌下腺

両手の親指をそろえて、顎の骨の内側を10回ほどやさしく押し上げる