「物が捨てられない」「整理整頓が苦手」「どこから始めたらいいか分からない」という人は、「防災」の視点で考えるとポイントが明確になりそうです。不用品処分の専門家に話を聞きました。
教えてくれたのは…

| 髙城 衛紅(えいこう)さん |
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| 昌和産業株式会社スタッフ・遺品整理士 |
公開 2026/09/02(最終更新 2026/09/01)
不用品の放置が災害リスクを高める
家の中に物がいっぱいある、収納しきれずに廊下や階段や部屋の隅に積まれている、家の外や物置にも「使っていないのに捨てられない物」が放置されている…。
そんな家に暮らしていて、もし、大きな地震や火事、台風や豪雨による浸水の危険が迫ってきた場合、「必要な物」をパッと手に取り、速やかに建物の外に出て避難所に向かうことは可能でしょうか。
「防災」の視点から、不用品を処分しておくメリットは主に3つあります。
【1】スムーズな避難経路を確保できる
特に夜間の停電時に避難しなければならない場合、足元に何が落ちているか分からないと、避難に時間がかかるリスクがあります。また、倒れた荷物や家具が出口をふさいでしまう可能性も。
特に玄関まわり、廊下や階段、寝室(ベッドまわり)、窓際は優先的に片付けを進めておきたい場所になります。
【2】二次災害の防止
段ボールや古雑誌など燃えやすい不用品を減らして、火災の拡大を防ぎます。

食器やグラスなどの割れ物も、落ちて割れた破片でけがをするリスクが高いので、使っていない物は処分を進めておくとよいでしょう。

古い家電はショートして火災を引き起こす危険性もあります。使わなくなった電化製品は放置せず、適切に処分を。
今年8月の千葉豪雨のように家屋が浸水被害にあった場合、物が多ければ後片付けも重労働です。「そもそも不用品だったのに…もっと早く処分しておけば…」と後悔することになるかもしれません。
【3】備蓄スペースの確保
不用品を減らして部屋をすっきりさせれば、水や非常用持ち出し袋を目につきやすい場所に置くことができ、いざという時にすぐ手に取って避難することができるでしょう。
目につく所に置くことで、非常食の賞味期限やライトの電池残量の確認なども行いやすくなります。
災害時に備えて、レトルトや缶詰などの食べ慣れた食品や日用品を少し多めに買い置きしておく「ローリングストック」のスペースも確保できます。

空き家の災害時のリスクについて
また、空き家対策も大事な「防災」の一つです。空き家を放置しておくと、災害時に近隣に大きな悪影響を与える可能性があります。
人が住まなくなった空き家は損傷・劣化しやすく、適切な管理を怠ってしまうと台風で外装材や屋根材が飛んだり、地震によって倒壊したりする危険性が高くなります。
屋根や外壁の落下などの事態も含め、通行人や近隣の家屋に損害を与えてしまうと、損害賠償責任を問われることも。
そんな空き家対策の腰を重くしてしまうのが、やはり残された家財道具(残置物)の処分ではないでしょうか。「衣類に食器、家電に家具…、分別も面倒だし、何から手を付けていいか分からない」、そんな時は、清掃から片付け、不用品の処分まで丸ごと引き受けてくれる業者を頼ってみては。
あちこちに依頼する手間と作業が省けて、トータルの費用も抑えられます。その際には、不法投棄などのトラブルに巻き込まれないよう、回収した不用品を適正に処分している業者を選びましょう。また「古物商許可証」を持っている業者であれば、不用品の中に価値のある物があった場合、買い取ってもらうこともできます。
いずれにしても災害は、いつ起こるか分かりません。後回しにせず、「防災=命を守るために」とシンプルに考えてみると、手を付けやすいのではないでしょうか。