訪れた国や地域90以上、海外への旅は238回。旅行作家の秋山秀一さんが、自身で撮影した写真とともに、世界の街を歩いた思い出をつづります。

旅行作家、元東京成徳大学教授、NHK文化センター講師。日本エッセイスト・クラブ常務理事、日本旅行作家協会会員、日本外国特派員協会会員。『鎌ケ谷 まち歩きの楽しみ』『世界観光事情 まち歩きの楽しみ』『ウクライナとモルドバ』『旅にでる、エッセイを書く』など著書多数。鎌ケ谷市在住。鎌ケ谷市国際交流協会(KIFA)会長、鎌ケ谷市都市計画審議会会長。
公開 2026/09/26(最終更新 2026/09/14)
租界時代の洋館が立ち並ぶ海上の楽園
中国福建省の港町・厦門(アモイ)は、華僑の故郷として、東南アジア諸国との交流が盛ん。観光業も盛んで、厦門最大の観光スポットが、幅700mの鷺江(ろこう)を隔てて厦門島の南西に浮かぶ、面積1.8km²の島、コロンス島である。


コロンス島は、温暖な気候に、一年中花が咲く、風光明媚(ふうこうめいび)な「海上の楽園」とも讃えられる島で、早くから海外にも知られた中国有数のリゾート地である。
「音楽の島」としても知られ、島内にはピアノの博物館もある。
アヘン戦争後の南京条約(1842年)により、厦門が開港。その後1902年には、コロンス島に外国共同租界が置かれ、イギリスの他、アメリカ、ドイツ、フランス、オランダ、スペインなどの国々が領事館や教会、病院などを建設。日本も、領事館を設置した。
この島には、今も、旧日本領事館など租界時代に建てられた洋館が残っている。


懐かしい風景にも出合える「音楽の島」
コロンス島内には、自動車は走っていない。観光客向けの電動カーに乗って海岸に沿った道をゆっくりと進み、狭い路地に入っていく。
スペイン人がつくったサッカー場が、今、人民体育場になっている。


「音楽の島」らしく、ト音記号の柵がある。穏やかな内湾、その海岸に沿った並木道。キャンディ売りや天秤棒を担いで観光客に果物を売り歩く人の姿に懐かしさを感じる。
菽荘花園(しゅくそうかえん)で、ピアノ博物館を見学。テラスに出て、海岸風景や行き交う大型のコンテナ船を眺め、ゆっくりとした時を過ごした。








(文・写真/秋山秀一)