訪れた国や地域90以上、海外への旅は237回。旅行作家の秋山秀一さんが、自身で撮影した写真とともに、世界の街を歩いた思い出をつづります。

旅行作家、元東京成徳大学教授、NHK文化センター講師。日本エッセイスト・クラブ常務理事、日本旅行作家協会会員、日本外国特派員協会会員。『鎌ケ谷 まち歩きの楽しみ』『世界観光事情 まち歩きの楽しみ』『ウクライナとモルドバ』『旅にでる、エッセイを書く』など著書多数。鎌ケ谷市在住。鎌ケ谷市国際交流協会(KIFA)会長、鎌ケ谷市都市計画審議会会長。
公開 2026/08/22(最終更新 2026/07/24)
キヒヌ島の既婚女性を象徴するエプロン
エストニアのムナライド港を午前8時30分に出発したフェリーは、9時29分、キヒヌ島に到着した。
キヒヌ島は、バルト海のリガ湾に浮かぶ、人口約600人の小さな島。


2019年夏の「秋山ツアー(※)」参加者一同は、縦縞模様の伝統的なスカートの上に、華やかなエプロン姿の現地ガイド、マーレさんの出迎えを受けた。
※旅行会社が主催する、秋山秀一さんと一緒に現地を歩くツアー

トラックの荷台に造られた、コの字型になったベンチ状の座席に腰掛けて、移動する。

南北7㎞、東西3.3kmの島の中心に位置する、聖ニコライ教会と道を挟んで向かい合って建っている博物館の外壁には、子どもたちが民族衣装を着たカラフルな絵が描かれている。
元小学校だったこの博物館には、キヒヌ島の伝統的な暮らしのすべてが展示してある。
この島では、結婚した女性がエプロンをつける。
「私には4人の子どもがいて、40枚のスカートがあります。エプロンは、100枚以上持ってます」と、マーレさん。


伝統が息づく島の暮らしを拝見
島の南端に、灯台がある。
螺旋(らせん)階段を歩いて上り、展望台からの眺めを楽しんだ。


フィッシュスープに、鯖(さば)のパテ。
島のカフェでの昼食の後、マーレさんのご自宅を見学。
居間、台所…。
納屋に、サイドカー付きのバイク。
伝統的な様式で建てられた家屋で、別棟にサウナもある。
庭のリンゴの木には、小さな実がいっぱいなっていた。




小さな店の前で編み物をしている女性も、伝統的なスカートの上に、エプロン姿だ。

(文・写真/秋山秀一)