子どもの自立や、所有者の年代の変化で、適した住まいも変わっていくもの。家を手放したいと考えた時に、知っておきたいポイントを取材しました。

教えてくれたのは…

株式会社YES代表 志村大輔さん
2011年、野田市でおうち探しの「家.s」を設立。宅地建物取引士。

公開 2026/11/04(最終更新 2026/10/30)

LEE

LEE

ライター&編集者。住民になって3年目、千葉や松戸について勉強中。過去に中華圏に住んでいたことがあり、アジア料理をはじめ食に関することが大好きです。趣味は写真、料理、手作り、旅行。

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売却が先か購入が先か?

「子どもが自立したのでコンパクトな家に住み替えたい」「施設に入るので家を売却したい」といったご要望が最近増えています。今回は、生活環境の変化などで今後の住まいや不動産のあり方を考えたい方に向けて、不動産の売却について知っておきたいことをお伝えしたいと思います。

まず、不動産を売る方法には「仲介」「買取」「個人売買」の3種類があります。

「仲介」は不動産会社が売主と買主の間に入り、一般の購入希望者を探して売買契約の成立をサポートしてもらう方法です。購入希望者がすぐに現れない場合は時間がかかる傾向があります。

「買取」は不動産会社が直接買い取る方法で、早く売りたい場合にはおすすめですが、価格は仲介での売却価格の7、8割程度と低めに設定される傾向があります。

個人売買は契約書の作成や手続きなどを自分でする必要があるため、注意が必要です。それでは不動産を売りたいと考えた時に、売却を先に進め、売れてから次の家を探すべきなのでしょうか。それとも次の家の購入を先に進めるべきなのでしょうか。これに関しては、それぞれにメリットとデメリットがあり、何を優先するかによって変わります。売り先行の場合は、焦らずに希望する価格で購入してくれる買い手を待つことができます。

一方、売れたタイミングで早急に物件を引き渡す必要がある場合は、次の家を探すのを急いだり、仮住まいが必要になったりするケースもあります。買い先行の場合は、物件の選定や手続きなどに時間をかけられるメリットがありますが、家がなかなか売れない可能性もあることを覚悟しておく必要があります。

不動産を売却する3つの方法

1.希望価格で安全に売りたいなら「仲介」

広く一般の買主を募るため、買取よりも高価格で売却が可能です。ただ、人気のエリアにあるかなど条件も大切。購入希望者が現れないと、なかなか売れないというケースもあります。

2.早く安全に売りたいなら「買取」

不動産会社が買い手となるため、買主を探す手間がありません。仲介手数料が不要で、現状のままで売却できることもメリットです。価格は相場の7、8割程度となることが多いでしょう。

3.コストを削減したいなら「個人売買」

個人間で不動産を売買します。不動産会社への仲介手数料を払わなくていいのがメリットですが、複雑な契約などをすべて自分で行うため、不動産取引の知識がないとトラブルに発展しやすいといえます。

売却が決まらない場合の選択肢

仲介で購入希望者が現れず、売却が決まらない場合は、「価格を下げる」「買取に変更する」「売却をやめて貸す」という選択肢が考えられます。ただ、住宅ローンが残っている場合は、賃貸に出す前に金融機関への確認が必要です。

自分らしい住まいとは?

高齢になり、家を売却して賃貸物件に住む方や、施設に移る方、お子さんの家に同居する方など、不動産売却にまつわるストーリーは人それぞれです。不動産売買を行うためには本人の意思が重要なため、不動産を維持し続けるのであれば、所有者が元気なうちに対策をしておくことが重要です。

遺言書で不動産を譲る相手を指定する「遺贈」や、不動産の管理・処分権限を信頼できる家族に託し、そこから得られる利益を自分が受け取ることができる「家族信託」などの方法が考えられます。

元気なうちから、どのような住まいの形が自分の希望なのかを考え、家族で話し合っておくことが、何よりの将来への備えになるのではないでしょうか。