プロテニス選手として国内外で活躍する山﨑郁美さん。
5歳でテニスに出会い、プロ3年目を迎えた今、これまで歩み続けた軌跡をたどるべく、インタビューしました。

| 山﨑郁美さん(25) |
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| 生年月日/2001年8月24日、八千代市出身、秀明大学八千代高校卒、島津製作所所属 |
公開 2026/09/16(最終更新 2026/09/08)
ひたむきな努力でプロへの道をつかむ
―テニスを始めたきっかけを教えてください。
軟式テニスの経験がある母が、運動不足解消のために近くのテニススクールに通い始めたことがきっかけです。初めはスクール付設の託児所で遊んでいましたが待ち時間が嫌で…。5歳の時に母と同じスクールに通い始めました。でも、本格的に始めたのは小4のころです。周りに比べたら遅いほうです。


市民大会に出場し、10歳以下のシングルス部門で優勝したことを覚えています。当時同じ大会に出ていた友だちが12歳以下の部で優勝していて、中学の時はその友だちとダブルスを組んでいました。
中学時代は週に4~5回スクールに通っていましたね。(スクールに通うことが)当たり前の生活だったので、きついとか辛いとか思ったことはなかったと思います。
中学1、2年生までは県大会で上位に届かなかったのですが、中3の時に初めて県でベスト8に入り、初めて関東大会に出場しました。うれしかったですね。
―秀明大学八千代高校時代は、高校2年生の時に全国私学選手権で優勝し、高校3年生のインターハイでは女子シングルスでベスト8。さらに、JOCジュニアオリンピックカップ第40回全日本ジュニア選抜室内テニス選手権大会で初優勝と、高校最後の大会で全国初のタイトルを獲得されました。高校時代の思い出を教えてください。
高校時代も部活ではなくテニススクールに所属していました。当時同じスクールで1学年の上の先輩に、現在プロテニス選手の西郷里奈選手が在籍していて、とにかく強くて目標にしていました。目標の選手がいることで練習に励むことができました。「周りの環境に引き上げられた」感じです。
インターハイは高1の頃から団体戦で出場していたのですが、シングルスは高3で初めて出場することができました。(団体戦で出場していたので)初めてという感覚はなく落ち着いてプレーができました。
全日本ジュニア選抜室内テニス選手権大会では高3で初めて決勝戦まで進み、1セット目は落としてしまったのですが、そこから立て直し優勝することができました。高校生活最後の大会で結果が残せてうれしかったです。この辺りからプロを意識するようになりました。

―その後、亜細亜大学に進学。大学3年生の2022年に全日本学生テニス選手権(インカレ)の女子シングルスで優勝。2023年11月にはプロ登録へ。輝かしい成績を残されましたが、大学生活を振り返っていただけますか?
ありがたいことにいくつかの有名大学からお声をかけていただきましたが、プロになることを目指して「日本で一番練習が厳しい大学」と知られている亜細亜大学を選びました。とにかくハードでした。コロナ禍の大学1、2年の時はオンライン授業後に練習、一日中練習という日もありました。
そして、私が専攻した法学部は卒論がなかったため、1年から3年までで卒業単位を取り、4年生ではテニスに打ち込みました。ただ、何度もけがに悩まされました。プロを目指す上で、けがをしない基盤作りが大切だと感じ、必死に体づくりに取り組みました。そのおかげで、今では自分の体力の限界にも気づけるようになり、けがすることがなくなりました。
―大学卒業後は島津製作所に所属し、本格的にプロ活動を開始。国内外を転戦する中、2025年シーズンの「テニス日本リーグ」では、最優秀新人賞と優秀選手賞を受賞、さらに同年の10月は第100回全日本テニス選手権で、自身初のダブルスでの優勝。そして今年の7月14日には千葉県知事を表敬訪問されました。優勝と、その後の県庁を訪れた際の感想を教えてださい。
ペアを組んだ小堀桃子選手とは台湾でも一度ペアを組みましたが、その時は一回戦で敗退。今回その時の対戦相手と準々決勝であたりましたが勝つことができ、優勝までたどり着くことができました。本当に楽しくプレーすることができましたし、歴史ある大会で、しかも記念すべき100回大会で初めて優勝することができ、すごく自信になりました。
表敬訪問はとても緊張しました。でも知事が優しく包みこんでくださり、15分と短い時間でしたが伝えたいことは伝えられたと思います。また報告に行けるようにしたいですね。

―そして今シーズンは第40回テニス日本リーグ最優秀選手賞に始まり、6月はW15東京有明大会シングルスで優勝。振り返ってみていかがでしょうか。
テニス日本リーグでは決勝トーナメントで残念ながら敗退してしまったのですが、昨シーズンに続き受賞できたことはすごくうれしいです。来年は最高殊勲選手賞を狙いたいですね。今シーズンは勝てない時期がしばらく続いて、「テニスは上手くなっているはずなのに勝てない。どうしてだろう…」と、メンタル的にもしんどい期間でした。W15東京有明大会の2週間前はとにかく素振りを毎日続けました。
2回戦にフルセットで勝った時「練習する意味があるんだ」と実感することができました。「努力しても勝てるわけでない、でも今日頑張った自分の努力を認める、その努力が自分の自信へとつながる」。この優勝がこれまでの苦しい思いを払拭してくれました。ごほうびをもらえたんだと。
―今シーズンも大会がまだまだ続くと思いますが、今後の意気込み、そしてさらなる夢を教えてください。
日々の努力が明日への成長とつながると信じて、一つ一つの大会を全力でやり切ることです。夢はやはり「グランドスラム」に出場することですね。
―国内外飛び回っていらっしゃいますが、お休みの日の楽しみを教えてください。
やっぱり友だちと会うこと、あとはいろんな国に行って観光することです。自然を見ることが好きで、情報から離れて何も考えず「無」になることが息抜きになっています。
―テニスに励む子どもたちに一言お願いします。
テニスに限らず、他のスポーツでも勉強でも同じですが、「昨日の自分を乗り越えたら成長につながる」。コツコツ続けること、そして全てのことに全力で向かうこと。いろんな事に挑戦して頑張ってほしいですね!
最後に…
表敬訪問を終えたばかりの束の間の帰国時に、絶えず笑顔で取材に協力してくださった山﨑さん。取材数日後には大会に向けて海外へ。お忙しい中で、たくさんのお話を聞かせていただきありがとうございます。そして今後も応援しています!