| 角田夏実さん |
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| 生年月日/1992年8月6日 出身地/千葉県八千代市 趣味・特技/国内外の世界遺産巡り、サイクリング、ゴルフ |
公開 2026/06/17(最終更新 2026/06/10)
ついにオリンピックの舞台へ
パリ2024夏季オリンピックが開幕。いよいよ夢にまで見た舞台の幕明けだ。
柔道女子48kg級の試合は開会式の翌日。準々決勝の相手はシリヌ・ブクリ。開催国フランスの選手だけに、大声援を送られていた。だが私には何の声援も聞こえなかった。何の技をかけたのかも覚えていないが、気づいたら開始1分で巴投げの一本勝ち。一瞬会場が静まった後、地響きのような大歓声が巻き起こった。
ここまでは3試合連続1本勝ち。準決勝も延長戦で勝ち、決勝進出が決まった。
必殺技の巴投げが勝利に導く
決勝の相手は強敵のバブードルジ・バーサンフー。
「始め!」。ついに試合がスタート。どんなにライバルから対策されても自分を信じて、巴投げと腕ひしぎ十字固めで戦っていこうと決めていた。巴投げをかけるためのタイミングを見極める。
技ありを取り、残り試合時間20秒。今だ。一瞬の隙を突いて、相手の下に入り込んだ。下腹部に両足を当て、ぐわっと相手の体を持ち上げ、巴投げに入った。空中で相手も必死に体をひねる。完璧な形ではない。着地と同時に、間髪入れずに寝技へ。相手は必死に体を縮め、逃れようとする。それでも「逃がすまい」としつこく攻め続ける。ごろっ、ごろっと畳の上を転がった。残り5秒。腕ひしぎ十字固めに入ろうとしたところで主審の声が響いた。
「それまで」
試合終了の合図。優勝が決まった。2004年アテネオリンピック、谷亮子選手以来の48kg級金メダル。
「終わった…」。とにかくホッとして全身の力が抜けた。これでみんなと笑顔で会うことができる…。
ふわふわとした感覚のまま畳を降りると、今井コーチが駆け寄ってくる。顔を見た瞬間、こらえていたものが一気にあふれ出た。抱き合うと涙がバーッとあふれて止まらなかった。